緊急事態宣言と新型コロナウイルス感染症拡大のシミュレーション COVID-19

ジョンソン英国首相にロックダウン都市封鎖を決意させた根拠と噂されるのが、Imperial College London の WHO Collaborating Centre for Infectious Disease Modelling; MRC Centre for Global Infectious Disease が出した「Report 12 – The global impact of COVID-19 and strategies for mitigation and suppression」と題する報告です。それに添付されたデータ、Data on global unmitigated, mitigated and suppression scenarios: Imperial-College-COVID19-Global-unmitigated-mitigated-suppression-scenarios.xlsx には各国毎にシミュレーションを行った衝撃的な数字が並びますが、日本ではあまり話題に上りません。

日本は何も対策しない場合、ウイルスの基本再生産数 Ro : Basic Reproduction Number(感染力のある 1人の感染者が、免疫の獲得もしくは死亡によりその感染力を失うまでに何人の未感染者に伝染させたかの人数)が最も高い予想値 3.3 であれば、人口約 1億 2600万人のうち、約 83% の約 1億 500万人が感染し、入院ベッドが約 580万床必要、約 195万人が集中治療を必要とし、約 147万人(死亡率約 1.4%)が亡くなるとの予測です。対策を出来る限り十分に行い、ウイルスの基本再生産数が最も低い予想値 2.4 でも、約 39%の約 4900 万人が感染し、入院ベッドが約 154万床必要、約 31万人が集中治療を必要とし約 23万人(死亡率約 0.5%)が亡くなるとの予測です。

Nature 02 April 2020 の Special report: The simulations driving the world’s response to COVID-19  How epidemiologists rushed to model the coronavirus pandemic.では、英国が進めた方針、Self-isolation、Social distancing、School closure、Public events banned and complete lockdown と進めていくうちに、ウイルスの基本再生産数が約 4から約 1へと小さくなっていった表も示されています。

ロックダウンを伴わない日本の緊急事態宣言で、この ウイルスの Basic Reproduction Number 基本再生産数を、どこまで小さくすることが出来るかが命運を握りそうです。

また、同記事では 8月一杯まで Case isolation, household quarantine and general social distancing という介入をとった場合と、8月一杯まで School and university closure, case isolation and general social distancing という介入をとった場合のその後をシミュレーションしていますが、前者では 10月末頃に人口 10万人当たり集中治療ベッドが約 100床必要な、後者では 12月初め頃に同約 160床必要になる、「第二波 Second wave」が到来することを予測しています。

「いつまで緊急事態宣言を続けるのか、その根拠を示せ」などと、批判しかしない野党やマスコミの方がおられますが、緊急事態宣言が 5月6日までの 1ヶ月だけでは、不十分なことは誰の目にも明らかです。

4月7日追記

4月7日早朝に、ボリス・ジョンソン首相が症状悪化のため集中治療室に移されたとの報道 Coronavirus: Boris Johnson moved to intensive care as symptoms worsen がありました。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」