新型コロナウイルス感染症はいつまで続くのか COVID-19

新型コロナウイルス COVID-19 感染症について、日本では感染爆発、オーバーシュートを出来るだけ遅らせようと関係者の努力は続きます。一方で他人事の様な言動を繰り返す人が多いのも事実です。都市封鎖、ロックダウンが既に行われている諸外国の様な状況はすぐそこに来ています。「いつまで続くのか分からないので自粛要請を週末毎に出されても商売上困る」といった発言をニュース番組でも喜んで取り上げたりします。

2009年の新型インフルエンザの流行を例に挙げるまでもなく、多くの人は、今年の冬、そして来年まで続く可能性に気が付いています。

米国の感染症対策の総本山である CDC (Centers for Disease Control and Prevention) の中の National Center for Immunization and Respiratory Diseases の責任者である Nancy Messonnier 女史が行った 3月9日の会見の記事「Coronavirus spread could last into next year, but impact could be blunted, CDC official says」では、

Messonnier’s suggestion that the virus could last into next year fits with the predictions of some experts that the virus will circulate for a long time, given how difficult contagious respiratory illnesses are to halt. 

と記され、このウイルスが来年まで続く可能性を指摘しています。

epidemic エピデミック(一定地域での予測不可能な流行)から、outbreak アウトブレイク (エピデミックの拡大、感染爆発)を経て、pandemic パンデミック(世界流行)へと現在既に広がってしまいましたが、

Some experts have said they see the virus becoming endemic, that is, spreading permanently in the human population like some viruses that cause colds and the flu.

かぜ症候群の原因となるウイルスやインフルエンザウイルスの様に、人間に永遠に広がり続ける『endemic エンデミック(流行という意味が薄れ、長期的あるいは永久的であるという意味の)』ウイルスになる可能性も指摘されています。

上記の記事で引用されている 2月4日付けの記事「Experts envision two scenarios if the new coronavirus isn’t contained」において、既知のコロナウイルスやインフルエンザとの比較で、この点を論じられいます。

冬から春にかけて鼻漏、鼻閉、咳などの症状を引き起こす「かぜ症候群」の代表、おそよ 4分の1を占めるコロナウイルスは、1960年代に発見された OC43と229E、2003-2004年に SARS がアウトブレイクした後に見つかった HKU1 と NL63 の 4種類が endemic viruses として知られています。子供や高齢者は他の 2つのより、OC43と229Eにより罹患します。229E の 35%、OC43 の18%は呼吸器症状を伴わない Asymptomatic infection 無症候性感染です。しかし、時に軽視できない症状を引き起こします。入院を必要としたコロナウイルス感染症のうち、OC43 が 229E より重篤になりやすく、15%程度は集中治療を要したとの報告があります。

他の 2つのコロナウイルス、SARS の致死率が約 10%、MERS の致死率が 約 37% です。他のウイルスによる致死率は、季節性のインフルエンザが 0.1%、1917年のスペイン風邪が 2.5%(10%を超えるとする報告もあります)です。新型コロナウイルスによる致死率は SARS や MERS より低く、医療崩壊さえ引き起こさねば約2%前後と予測されています。

新型コロナウイルスも一本鎖 RNA ウイルスです。この種の微生物は「notoriously quickly 悪名高いほどに素早く」遺伝子変異を起こします。SARS は変異率を減らすメカニズムを有しており、新型コロナウイルスも遺伝子構造で SARS との相似性を有し、スクリプス研究所の Michael Farzan 氏は、

“That makes the mutation rate much, much lower than for flu or HIV” 

インフルエンザウイルスやエイズウイルスより変異率が低いであろうことを指摘しています。変異を起こしにくいという事は、新型コロナウイルスが、もっと有意に致死的なウイルスへと進化する機会を減らすという意味と理解されます。

ウイルス感染の場合、いったん感染し免疫ができれば、そのウイルスへ再度感染しないはずです。インフルエンザウイルスの場合は、種類の多さ、変異による多様性のために何度も罹患します。ではコロナウイルスの場合はどうでしょうか。大人になるまでに、ほぼ全員がいくつかのコロナウイルスに対する免疫を獲得します。しかし、それは長くは続かないため、高齢者は再感染します。ミネソタ大学の Susan Kline 博士が、この従来の 4種類のコロナウイルスに関する指摘をしています。

There is some evidence that people can be reinfected with the four coronaviruses and that there is no long-lasting immunity

「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」の web site で、山中伸弥教授は以下の様に述べられています。

新型コロナウイルスとの闘いは短距離走ではありません。1年は続く可能性のある長いマラソンです。日本は2月末の安倍首相の号令により多くの国に先駆けてスタートダッシュを切りました。しかし最近、急速にペースダウンしています。このままでは、感染が一気に広がり、医療崩壊や社会混乱が生じる恐れがあります。一人一人が、それぞれの家庭や仕事の状況に応じた最速ペースで走り続ける必要があります。国民の賢い判断と行動が求められています。 

分かっていても誰もが口にしない、「新型コロナウイルス感染症はこの冬を超えるまで収束はしない」ことをしっかりと発信して下さったと受け止めました。

3月28日午後6時から安倍首相が会見を行い、

この闘いは、長期戦を覚悟していただく必要がある

としっかり表明されました。「収束の見通しを示すべきだ」などと意を汲まない質問をする不勉強な記者がいたことが残念です。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」