9月入学と入学試験時期の新型コロナウイルス感染再燃

大阪府の吉村知事は、4月28日、自身の Twitter で、

世界の先進諸国はほぼ9月(8月)入学。今後、10年、20年先の日本の将来を考えた時、若者が世界で活躍しやすいように、日本も世界標準の9月入学にすべきだ。現在のコロナの休学に伴う学力格差を防ぐことにもなる。勿論、9月までの子供達の心のケアは当然担保する。明日の全国知事会で強くプッシュする。

とツイートされました。5月1日の日本テレビの報道によると、

学校の休校が長期化していることを受け、入学や新学期の時期を今年の9月に変更する案について文部科学省が論点を整理して自民党に提示したことが分かりました。文部科学省が自民党の会議に提示した資料によりますと、「9月入学」の利点として学びの保障や国際化への対応などをあげています。一方、実現するにあたっての主な課題として、一律に5か月の遅れが生じることへの国民の理解や小学校の入学が遅れる子供の保育園の受け入れの課題があげられています。さらに、就職が半年遅れることや事業年度や会計年度とずれることへの影響、国や自治体での法律改正を短時間で実施する必要性を指摘しています。

とありますが、検討するとしても早くとも 2021年の秋の話であると文部科学省は考えているとの報道もあります。

大事な論点が、マスコミなどでもあまり取り上げられていません。今回の非常事態宣言発出により、新型コロナウイルス感染症の感染者数の減少傾向がみられています。しかし、各国の専門家が既に指摘しているように、この冬に再び大流行を生じることは必至です。生じた流行の中で、高校や大学などの入学試験を行うことが果たして可能なのでしょうか。

NHKの5月2日の報道では

全国の保護者などでつくる日本 PTA 全国協議会は文部科学省に対して、9月入学は慎重に検討するよう求める要望書を提出しました。この中では、突然の9月入学の議論の高まりは子どもたちに不安を与え、保護者にとっても戸惑いが生じているとしたうえで、今は、子どもたちの心と体のケアや、感染防止対策をして、学校を再開させるため、予算と時間を費やすことが必要だと指摘しています。さらに、始業の時期を9月に遅らせることで学校の負担や家庭の経済的な影響が増すことなどが強く懸念されるとして、慎重に検討すべきとしています。

「子どもたちに不安与える」と煽っていますが、冬の新型コロナウイルス感染症流行の中で入学試験を受ける(受けることが出来ないかもしれない)不安については言及していません。

現行の制度では、インフルエンザの流行期に入学試験が行われています。受験生、保護者は、インフルエンザでさえも感染に対し神経質になります。新型コロナウイルスでは、それ以上の不安を募ります。日本 PTA 全国協議会は、この点についての見解を明らかにして頂きたいものです。