新型コロナウイルス感染症はいつまで続くのか COVID-19

新型コロナウイルス COVID-19 感染症について、日本では感染爆発、オーバーシュートを出来るだけ遅らせようと関係者の努力は続きます。一方で他人事の様な言動を繰り返す人が多いのも事実です。都市封鎖、ロックダウンが既に行われている諸外国の様な状況はすぐそこに来ています。「いつまで続くのか分からないので自粛要請を週末毎に出されても商売上困る」といった発言をニュース番組でも喜んで取り上げたりします。

2009年の新型インフルエンザの流行を例に挙げるまでもなく、多くの人は、今年の冬、そして来年まで続く可能性に気が付いています。

米国の感染症対策の総本山である CDC (Centers for Disease Control and Prevention) の中の National Center for Immunization and Respiratory Diseases の責任者である Nancy Messonnier 女史が行った 3月9日の会見の記事「Coronavirus spread could last into next year, but impact could be blunted, CDC official says」では、

Messonnier’s suggestion that the virus could last into next year fits with the predictions of some experts that the virus will circulate for a long time, given how difficult contagious respiratory illnesses are to halt. 

と記され、このウイルスが来年まで続く可能性を指摘しています。

epidemic エピデミック(一定地域での予測不可能な流行)から、outbreak アウトブレイク (エピデミックの拡大、感染爆発)を経て、pandemic パンデミック(世界流行)へと現在既に広がってしまいましたが、

Some experts have said they see the virus becoming endemic, that is, spreading permanently in the human population like some viruses that cause colds and the flu.

かぜ症候群の原因となるウイルスやインフルエンザウイルスの様に、人間に永遠に広がり続ける『endemic エンデミック(流行という意味が薄れ、長期的あるいは永久的であるという意味の)』ウイルスになる可能性も指摘されています。

上記の記事で引用されている 2月4日付けの記事「Experts envision two scenarios if the new coronavirus isn’t contained」において、既知のコロナウイルスやインフルエンザとの比較で、この点を論じられいます。

冬から春にかけて鼻漏、鼻閉、咳などの症状を引き起こす「かぜ症候群」の代表、おそよ 4分の1を占めるコロナウイルスは、1960年代に発見された OC43と229E、2003-2004年に SARS がアウトブレイクした後に見つかった HKU1 と NL63 の 4種類が endemic viruses として知られています。子供や高齢者は他の 2つのより、OC43と229Eにより罹患します。229E の 35%、OC43 の18%は呼吸器症状を伴わない Asymptomatic infection 無症候性感染です。しかし、時に軽視できない症状を引き起こします。入院を必要としたコロナウイルス感染症のうち、OC43 が 229E より重篤になりやすく、15%程度は集中治療を要したとの報告があります。

他の 2つのコロナウイルス、SARS の致死率が約 10%、MERS の致死率が 約 37% です。他のウイルスによる致死率は、季節性のインフルエンザが 0.1%、1917年のスペイン風邪が 2.5%(10%を超えるとする報告もあります)です。新型コロナウイルスによる致死率は SARS や MERS より低く、医療崩壊さえ引き起こさねば約2%前後と予測されています。

新型コロナウイルスも一本鎖 RNA ウイルスです。この種の微生物は「notoriously quickly 悪名高いほどに素早く」遺伝子変異を起こします。SARS は変異率を減らすメカニズムを有しており、新型コロナウイルスも遺伝子構造で SARS との相似性を有し、スクリプス研究所の Michael Farzan 氏は、

“That makes the mutation rate much, much lower than for flu or HIV” 

インフルエンザウイルスやエイズウイルスより変異率が低いであろうことを指摘しています。変異を起こしにくいという事は、新型コロナウイルスが、もっと有意に致死的なウイルスへと進化する機会を減らすという意味と理解されます。

ウイルス感染の場合、いったん感染し免疫ができれば、そのウイルスへ再度感染しないはずです。インフルエンザウイルスの場合は、種類の多さ、変異による多様性のために何度も罹患します。ではコロナウイルスの場合はどうでしょうか。大人になるまでに、ほぼ全員がいくつかのコロナウイルスに対する免疫を獲得します。しかし、それは長くは続かないため、高齢者は再感染します。ミネソタ大学の Susan Kline 博士が、この従来の 4種類のコロナウイルスに関する指摘をしています。

There is some evidence that people can be reinfected with the four coronaviruses and that there is no long-lasting immunity

「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」の web site で、山中伸弥教授は以下の様に述べられています。

新型コロナウイルスとの闘いは短距離走ではありません。1年は続く可能性のある長いマラソンです。日本は2月末の安倍首相の号令により多くの国に先駆けてスタートダッシュを切りました。しかし最近、急速にペースダウンしています。このままでは、感染が一気に広がり、医療崩壊や社会混乱が生じる恐れがあります。一人一人が、それぞれの家庭や仕事の状況に応じた最速ペースで走り続ける必要があります。国民の賢い判断と行動が求められています。 

分かっていても誰もが口にしない、「新型コロナウイルス感染症はこの冬を超えるまで収束はしない」ことをしっかりと発信して下さったと受け止めました。

3月28日午後6時から安倍首相が会見を行い、

この闘いは、長期戦を覚悟していただく必要がある

としっかり表明されました。「収束の見通しを示すべきだ」などと意を汲まない質問をする不勉強な記者がいたことが残念です。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」

感染爆発の重大局面 3月25日東京都会見

3月25日の 1日だけで東京都の新型コロナウイルス COVID-19 感染者が 41名増加したことを受けて、午後 8時過ぎから小池東京都知事が記者会見を開きました。「感染爆発の重大局面」と捉え、都民への要請をされました。とても重大な会見にも関わらず、残念ながら、生放送で伝えた地上波民放テレビ局は有りませんでした。NHKでさえも 午後 8時13分からしか放映できず、それにあわせてか会見は遅れて始まりました。翌日のワイドショーなどで、タレントの適当なコメントで茶化してしまうことをせず、都民に「重大局面」を理解してもらうには、番組を差し替え生中継するくらいの危機意識が欲しいところです。

質疑応答の際の、質問する記者のレベルも大きな問題です。医療崩壊を招かない様に、重症者に医療資源を注ぎ、軽症者をどのように処遇するかの問題は、先週大阪府知事も会見で提言した通りです。現段階では都道府県レベルの行政で勝手に入退院を規定できない、措置入院させなければならない指定感染症であることさえ分かっておらずに質問をする勉強不足の記者もいました。話の本質を分かりにくくするだけの質問にも、丁寧に答えておられた、大曲医師や、福祉保健局長に頭が下がります。

心配していた大阪府の新規感染者数、25日は 7名と発表されています。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」

 

厚生労働省コロナ対策本部クラスター班「大阪府・兵庫県における緊急対策の提案(案)」

3月19日の吉村大阪府知事の囲み取材、3月20日 11時から行われた第9回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議と、その後のマスコミの報道姿勢に疑問を持ち、「3月20日の吉村大阪府知事からのメッセージ 府民の皆さんへ」について記しました。

その後、的外れな批判は相次ぎましたが、吉村大阪府知事の Twitter でも情報を発信し続けておられます。その中で、某 TV番組でも公表されたという 2020年3月16日付けの、厚生労働省コロナ対策本部クラスター班の専門家作成の資料「大阪府・兵庫県における緊急対策の提案(案)」もアップされています。

その中で必要な対策の方向性(案)として
段階1 警戒段階
大阪府・兵庫県全域で、今後3週間
- 大阪府・兵庫県内外の不要不急な往来の自粛を呼びかける。
段階2 積極的介入段階
― 全域の不要不急の外出自粛の要請(緊急事態宣言も考慮)

と記されています。大阪府ホームページの 知事からのメッセージ、府民の皆さんへ【(9)令和2年3月20日】の文言は、

大阪府、兵庫県の往来並び府県内の外出について、この三連休中、不要不急の場合は、控えていただくようお願いいたします。

ですので、見直してみると段階1と段階2の折衷の様な「お願い、呼びかけ」にきちんとなっており、政治的判断の意味合いを、もっとマスコミは斟酌すべきと考えます。

大阪府ではライブハウスのクラスターを上手く抑え込めたかのように思えましたが、昨今の報道にあるような、海外渡航から帰国した人からの感染や、感染源が分からない感染者、兵庫県でみられる病院、介護施設、保育所などの感染が増え始めると、爆発的患者急増を招きかねません、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 3 月 19 日)にもオーバーシュートについての注意喚起が記されています。

どこかで感染に気付かない人たちによるクラスター(患者集団)が断続的に発生し、その大規模化や連鎖が生じ、オーバーシュート(爆発的患者急増)が始まっていたとしても、事前にはその兆候を察知できず、気付いたときには制御できなくなってしまうというのが、この感染症対策の難しさです。

大阪府内の医療現場の状況を踏まえると、段階2の積極的介入として緊急事態宣言を行い、不要不急の外出自粛の要請を行わねばならない日は遠くないかもしれません。緊急事態宣言を出さずに、最大のお願いを、祝日を含む週末の3日間に絞って府民に対して行ったと理解するのがよさそうです。イタリアやスペイン等に次いで、アメリカもカリフォルニア州では外出禁止令が出されました。

発熱や咳、倦怠感が続く場合、新型コロナ受診相談センターにまず電話連絡し、指定された医療機関等へ受診、必要であれば PCR 検査を受け、陽性であれば措置入院、ベッドが無ければ自宅待機となります。大阪府がフォローアップセンターを設置し入退院調整に乗り出したのは、現状では軽症であっても法的に退院させることが出来ず、新たに陽性になった人を入院させるためのベッドが足りない状況が生じ始めているためです。

前述の「大阪府・兵庫県における緊急対策の提案(案)」においても、

大阪府、兵庫県の全域において、感染源不明(リンクなし)症例が感染世代(5日程度)毎に増加。1人が生み出す2次感染者数の平均値が兵庫県で1を超えている。見えないクラスター連鎖が増加しつつあり、感染の急激な増加が既に始まっていると考えられる。

と警告が記され、3月20日から27日までの7日間に患者 586人、3月28日から4月3日 患者 3374人との試算まで示され、感染者報告数がこれから急速に増加し、来週には重症者への医療提供が難しくなる可能性ありと現状分析を結んでいます。

試算の数までいかずとも、試算の5分の1(1週間に100人)でも実際に陽性患者が増えれば、大阪府、兵庫県の新型コロナウイルスに対する医療体制は崩壊してしまいます。

松井大阪市長の Twitter での発信は、

2週間後に大阪は大げさだったと笑われたい。 

危機管理には必要な事です。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」

 

 

3月20日の吉村大阪府知事からのメッセージ 府民の皆さんへ

3月19日夜の吉村知事は囲み取材で「大阪そして兵庫間の往来につきましては、この3連休については、不要不急の往来を控えて頂きたいと思います。」と府民へのメッセージを発信しました。3月20日 11時から行われた第9回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議の会議資料 6-2「緊急のお知らせ3月19日に府ホームページで周知」と題して以下の様に記されていました。

大阪府、兵庫県の往来並びに府県内の外出について

厚生労働省の専門家から、大阪府・兵庫県における感染の急激な増加の可能性について報告を受けました。そのため、大阪府、兵庫県の往来並びに府県内の外出について、この三連休中、不要不急の場合は、控えていただくようお願いします。

しかし実際に府ホームページのトップページに掲示された「緊急のお知らせ」の欄には、

厚生労働省の専門家から、大阪府・兵庫県における感染の急激な増加の可能性について報告を受けました。そのため、この三連休中、大阪府・兵庫県の往来をはじめ不要不急の外出は、控えていただくようお願いします。

と何故か「府県内の外出について」という文言が削除されています。大阪府が発表するのに「県」という文字が入っていたので、兵庫県に遠慮して論点がずれた文章にしてしまったのでしょうか。「緊急のお知らせ」の文章にも「府内の外出について」と残すべきでした。

本来は大阪府内の不要不急の外出も避けるようにというメッセージであるにも拘わらず単に大阪府と兵庫県間の往来自粛要請であると捉えマスコミが、その点だけを強調してやれおかしい、現実的ではない、効果があるのか等報道しました。行き先が大阪府内であっても不要不急の外出も避けるようにという内容をきちんと報道したマスコミはあったのでしょうか。

北海道で週末の外出を控えるようにと北海道知事がメッセージを発したように、厚生労働省の専門家が、大阪府に対して提言し、大阪府も行動を起こしました。欲を言えば、吉村知事はもっとはっきりと「週末の不要不急の外出を控える」ことをまず第一に言うと、理解しやすかったのでしょう。本当は言っていたのに報道されていなかったのであればさらなる問題ですが。

ホームページの知事からのメッセージ、府民の皆さんへ【(9)令和2年3月20日】では、

大阪府、兵庫県の往来並び府県内の外出について、この三連休中、不要不急の場合は、控えていただくようお願いいたします。 

と、「府県内の外出について」がしっかりと記されています。

20日は 1日中家にいましたが、大阪府のホームページをチェックしていませんでした。夜、食事から戻って初めて、上記の記載を知りました。

3月22日追記

3月21日吉村知事は、厚生労働省コロナ対策本部クラスター班が作成し「大阪府・兵庫県における緊急対策の提案(案)」として大阪府に示された文書を公開されました。その内容について「厚生労働省コロナ対策本部クラスター班 大阪府・兵庫県における緊急対策の提案(案)」の記事を追加しました。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」

 

COVID-19 流行予測と医療崩壊を防ぐには

Sunihannel News Asia) の3月13日付けの「Up to 150 million Americans could get coronavirus: US projection」の記事では、以下の様に記されています。

WASHINGTON: Between 70 and 150 million people in the United States could eventually be infected with the novel coronavirus, according to a projection shared with Congress, a lawmaker said on Thursday (Mar 12).

Congresswoman Rashida Tlaib made the remarks during a hearing of the House of Representatives with members of the president’s coronavirus task force, confirming earlier reports by US media outlets including Axios and NBC News.

(中略)

The upper end of the projection is about 46 per cent of the US population of 327 million people. By comparison German Chancellor Angela Merkel warned this week that up to 70 per cent of her country’s population could get the virus.

アメリカ合衆国では7千万人から1億5千万人(人口の約46%)が新型コロナウイルスに感染するとの予測がたてられています。先にドイツのメルケル首相が、ドイツでは人口の70%の感染が起こりうると警告したばかりです。

About 80 per cent of coronavirus cases are mild, and the overall mortality rate is around 1 per cent, according to the latest estimate provided by Fauci to Congress on Wednesday.

At the low end of the projection this would mean about 700,000 deaths. At the high end it would mean 1.5 million deaths.

80%は軽症で、致死率を1%と見込むと、アメリカ合衆国では70万人から150万人の死者を予測しています。

社会活動を行う限り、人口の一定割合への感染は避けることはできません。ウイルスと人間のこれまでの戦いの歴史からも明らかです。

コロナウイルスは冬のかぜ症候群の起因ウイルスの代表の一つです。それが変異した COVID-19、罹患しても軽症であれば、治療薬は有りません。周囲の他人に移さないようにひたすらに安静、それが大事です。

限られた医療資源、重篤な患者さんを助けるための入院枠が、軽症者で埋め尽くされることは避けなければなりません。このことが、ようやくマスコミでも報道されるようになってきました。某国の様な医療体制の崩壊を防ぎつつ、重症者の治療を十分に行うにはどうすべきか、厚生労働省と日本医師会の協議も行われています。残念ながら、それらを理解しようすることもなく、PCR 検査の件数を増やすことを執拗に訴える国会議員もまだおられます。

12日の大阪府新型コロナウイルス対策本部専門家会議終了後の、吉村大阪府知事、松井大阪市長の会見でも、「社会活動を元に戻す」ために「効果的な対策にシフトチェンジ」することが重要であると述べられています。医療資源の最適化を目指すために COVID-19 陽性にて入院した患者さんの、自宅待機も含めた退院ルールの見直し、フォローアップセンターの設置などにも言及されています。

光の道筋が少し見えてきました。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」

COVID-19 に関する、ネパール、インド、タイの日本人への対応

3月に入り、日本からの入国に対する諸外国の対応が厳しくなってきました。

ネパールの Department of Immigration は 3月2日、Urgent Notice about the Suspension of Visa-on-arrivalを発表しました。アライバルビザの取得が3月10日から不可能になり、健康証明書を添えて前もってのビザ取得が必要になります。

The Government of Nepal is monitoring the spread of Corona Virus (COVID-19). Taking into account the global recommendations and measure of the WHO, the Government of Nepal has decided to temporarily suspend visa-on-arrival for the nationals of the following countries, effective from 10 March, 2020 to till the date of further notice:

  1. People’s Republic of China, including Special Administrative Regions
  2. Islamic Republic of Iran
  3. Italy
  4. Republic of Korea
  5. Japan

However, those willing to visit Nepal can obtain visa beforehand from the Nepali Missions abroad. Applicants in these countries are required to submit a recently issued health certificate with the visa application.

インドの Bureau of Immigration は、 Advisory: Travel and Visa restrictions related to COVID-19を発表し、2020年3月3日以前に発行され、まだ入国していない日本人へのビザを即座に無効にしました。

All regular (sticker) Visas/e-Visa (including VoA for Japan and South Korea) granted to nationals of Italy, Iran, South Korea, Japan and issued on or before 03.03.2020 and who have not yet entered India, stand suspended with immediate effect. Such foreign nationals may not enter India from any Air, Land or Seaport ICPs. Those requiring to travel to India due to compelling reasons, may seek fresh visa from nearest Indian Embassy/Consulate.

タイ保健省の疾病管理局 Department of Disease Control は 3月3日、Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) News Release Report on March 03, 2020を発表しました。

Unexposed groups including both Thai people and foreigners with travel history from affected areas, but who did not have exposure to patients and who are not exhibiting suspected symptoms are requested to reduce social activities, wear a mask when leaving their accommodations, wash hands frequently, not go to crowded areas, and observe your symptoms at home for 14 days. If you have a fever, cough, or sore throat, see a doctor immediately and report your travel history.

タイ人も外国人も、感染エリアへの旅行歴があるものは、人混みへ出かけず、家で14日間自身の症状を観察するように要請されています。

2月23日付けの発表は日本からの観光客は関係ないと解釈する向きもあり、タイ国政府観光庁の web site では「タイ保健省からのコロナウイルスに関する発表」と題して、

タイ保健省が出した発表は『タイへの帰国者』に向けたもので、2/24現在、日本人観光客に対して直接観光を制限する指示は出されておりません。
事実関係は下記のとおりであり、またあくまで協力を呼びかけているものです。また、出社や観光を一律に制限するものでもありません。

と声明を出されていますが、『事実関係は下記のとおりであり』として記された文章には、実際に発表された Special Announcement of COVID-19 on 23 February 2020

Therefore, people traveling from areas with reports of ongoing outbreaks or local transmission including the People’s Republic of China (including Hong Kong Special Administrative Region, the Macau Special Administrative Region of the People’s Republic of China,
Republic of China (Taiwan), Japan, Singapore, the Republic of Korea (South Korea), (a list of countries with report of outbreaks will be announced periodically for people to monitor the situation through the DDC website), are asked to take social responsibility by self-monitoring at least 14 days upon return, avoiding crowded places, avoiding using public transportation, and avoiding sharing personal household items.

日本等の感染エリアからの旅行者は、 14日間は自己観察を行い、人混みを避け、公共交通機関の利用を避けることにより社会的責任を負うことを求められる」と記された内容について、意図的にか、一切触れられていません。

今回の文章の ”both Thai people and foreigners with travel history from affected areas” の対象者に、日本からの観光客が含まれているのか否か、前者であると通常は解釈されますが、タイ国政府観光庁は 3月5日午前0時の段階で web site ではまだ声明を出されていません。

2020年3月8日追記

その後 TAT (Tourism Authority of Thailand) が3月5日付けで「TAT Statement: Thailand elevates COVID-19 control measures to prevent transmission through travellers arriving from disease infected zones」という声明を出しました。

On 5 March, 2020, Thailand announced a list of four COVID-19-affected countries or areas in the Royal Thai Government Gazette; namely, the People’s Republic of China (including Hong Kong and Macao Special Administrative Regions), Republic of Korea, Republic of Italy, and Islamic Republic of Iran.

Special Announcement of COVID-19 on 23 February 2020areas with reports of ongoing outbreaks or local transmission として記された国から、台湾、日本、シンガポールが外れ、イタリアとイランが加わっています。現時点では、4ヶ国(中国、韓国、イタリア、イラン)からの入国者に対する要請となっているようです。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」

 

 

 

タイ保健省からの新型コロナウィルスに関する発表(2月23日)

タイ保健省の疾病管理局 Department of Disease Control は 2月23日、Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) News Release Report on February 23, 2020 を発表しました。

However, Thailand’s disease prevention and control cannot be achieved without the cooperation of the public. Therefore, people traveling from areas with reports of ongoing outbreaks or local transmission including the People’s Republic of China (including Hong Kong Special Administrative Region, the Macau Special Administrative Region of the People’s Republic of China, Republic of China (Taiwan), Japan, Singapore, the Republic of Korea (South Korea), (a list of countries with report of outbreaks will be announced periodically for people to monitor the situation through the DDC website), are asked to take social responsibility by self-monitoring at least 14 days upon return, avoiding crowded places, avoiding using public transportation, and avoiding sharing personal household items. If you are feeling like you have symptoms, please wear a face mask and measure your temperature everyday. If the symptoms do not improve, seek medical care immediately and report your travel history or call the DDC hotline 1422.

日本等の感染国から帰国した場合、少なくとも 14日間自己観察し、混雑する場所を避け、公共交通機関を使うことを避け、日常使うものの共有を避ける等の、社会的責任を負うことを求められるとされます。日本からの観光客も同様なことが求められると解釈できますが、外務省海外安全ホームページには

一部報道で,中国や日本等の地域に滞在していた方は,タイに帰国後14日間の自宅待機をするようタイ保健省が求めている旨報じられていますが,事実関係は上記のとおりであり,またあくまで協力を呼びかけているものです。また,出社や観光を一律に制限するものでもありません。

と記されています。仕事で出社はまだ様々な方策を講じることが出来るでしょうが、公共交通機関を使わず、混雑する場所を避けて観光ができるのでしょうか。

当ブログでの「タイ旅行 2020年」の記事は、いずれも2020年1月3日までのバンコク滞在に関するものです。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」

 

ネパールの新型コロナウイルス (2019-nCoV) 対策

新型コロナウイルス(COVID-19、2019-nCoV)感染症の対策は、マスコミが躍起になって報道する『チャーター便で帰国した人々や、クルーズ船に乗っていた人々の隔離による水際での防疫』は、春節休暇で多くの中国人が来日してしまった現況ではもはや大きな意味は無く、すでに市中感染として蔓延しているとの前提での対策の方が重要なはずです。

2009年春から流行が始まった 新型インフルエンザ A/H1N1(当初、豚インフルエンザと呼ばれた)も、結局国内全体に感染が巡り渡るまで、その年の冬および翌年のシーズンまで収束しなかったという教訓が既に忘れ去られ、ピントの外れた報道も多くなされています。

その様な中で、東洋経済オンライン 2月6日『新型肺炎「日本の対応」は不備だらけの大問題 流行が始まっている前提で動かねばならない』で非常に的を射る指摘を上昌広氏がされています。すでに市中に蔓延しているのは容易に想像がつきますので、何が必要で、何が意味がない事か、私たちが思っていることを、しっかりと代弁されています。

日本感染症学会も、web site で『一般市民向け新型コロナウイルス感染症に対する注意事項(2020 年 2 月 3 日現在)』を示していますが、その中で、

本邦にウイルスが入り込みすでに市中において散発的な流行が起きていてもおかしくない状況です。

と、既に市中に蔓延し始めている可能性を指摘しています。

今や日本以上に中国と密接な関係にあり、カトマンドゥのタメル地区のチャイナタウン化が進むネパールでは、この先どうなるのでしょうか。

THE KATHMADU POST 2月8日 「Nepalis rush to buy face masks amidst coronavirus outbreak but there are none available」の記事では、マスク狂騒が起きており、既に手に入らないことが紹介されています。そもそもネパールのマスクの輸入元は中国からが56%、インドが22%とのことですので、両国から止められたらマスクは出回らなくなります。ネパールにも2社のマスク製造会社があるとのことですが、その原材料を中国とインドからの輸入に頼っているので、これまた供給できる状況ではない様です。

NEW SPOTLIGHT 2月7日 「CORONAVIRUS Nepal Under Stress – Nepal’s health system faces stress to contain Novel Coronavirus」の記事では、

As Nepal does not have adequate technology and tools to contain the virus, it can create epidemic if it enters Nepal. Nepal does not have adequate digital thermometer except in TIA. Similarly, Nepal does not have adequate guards for doctors, medical staffs and others who get involved in treating coronavirus. The hospitals are not prepared to treat the patients contracting coronavirus.

大流行の可能性の有るこのウイルス感染症に対応するネパールの医療体制について、あれも無い、これも無い、体温計も十分でなければ、使い捨ての防御着もネパールで 150 しかなく、運転手への感染防御を想定した救急車もないと記されています。

在ネパールの Hou Yanqi 中国大使が、Bhattarai 首相との会談で、

During her meeting with Minister Bhattarai, ambassador Hou informed that the Chinese tourists to Nepal would decline due to the epidemic. She assured that after the epidemic is under control, we will continue to encourage more Chinese tourists to visit Nepal and contribute to the 2020 Visit Nepal Year.

と語ったとのことです。自国のマスクが不足しているにもかかわらず、10万セットのマスクを中国に送るセレモニーも執り行われました。「Coronavirus crisis: Nepal donates 100,000 masks to China」

『2020 Visit Nepal Year』は、中国からの観光客なくして成し遂げることができない現状、国会議員の約3分の2が親中国のネパール共産党で占められているネパール政府の今後の方針が容易に予想できます。『2020 Visit Nepal Year』とこの新型コロナウイルス感染症については、The Himalayan Times 2月6日 「America politicised coronavirus, says Dahal」の記事で、ネパール共産党の Pushpa Kamal Dahal 党首が中国を擁護し、アメリカを非難した上で、

He expressed confidence that the outbreak of coronavirus would not have any impact on Visit Nepal 2020. “The situation will normalise after the virus comes under control,” he said.

と見通しを述べたとのことです。

THE HINDU 2月2日 「Govt. alert for coronavirus spread from Nepal」によると、インドの政府当局は

The Indian health authorities are especially concerned about the possible spread of the respiratory disease from Nepal, where an outbreak has been reported. 

と、既に発生が確認されたネパールから、陸路での隣接した自国の州への感染拡大を危惧しています。

陸路中国からネパールに帰国し、検査を求めた病院を訪れた 60人 に対し、病院に経過観察のため 2週間留まるよう求めたにもかかわらず、大半は帰宅してしまい、その住所なども分からないという事案も報告されています。online khabar 2月6日「Over 60 Nepalis returned from China amid coronavirus outbreak, but govt didn’t quarantine them」 その時点での新型コロナウイルス陽性者は、ネパール国内で 2名のみとのことですが、実際の感染状況から乖離している可能性も推察できます。

水際だけでなく、市中感染が既に起こっていると想定した対策で重要な事の一つは、上記の上昌広氏の記事でもわかる通り、市中の病院での検査体制です。The Himalayan Times 1月27日 「Testing for coronavirus starts in Nepal」の記事で、ネパールではようやく 1月28日頃から Civil Hospital、Bhaktapur Hospital、Birendra Military Hospital、Norvic International Hospital、Grande International Hospital、Tribhuvan University Teaching Hospital、Bir Hospital で 訓練を開始(PCR 検査の習熟でしょうか)すると発表されましたが、その後続報を見ません。National Public Health Laboratory (NPHL) の web site では、検体を NPHL の National Influenza Center に所定の梱包で 48時間以内に送付する旨の通知が掲げられているので、上記 7病院では検体の採取だけなのか PCR 検査まで実施する体制がとられているのかよくわかりません。

ネパールの大きな問題の一つは、一部の地方を除いて、公的な健康保険制度が確立していない事です。私的な健康保険制度は存在しますが、あまり信頼されていません。重篤な咳症状等の排煙を疑う症状があったとしても、診察を受けレントゲンを撮る、その費用さえも負担できない人は数知れず、潜在的な感染者を爆発的に増やしてしまうかもしれません。

写真はカトマンドゥの中心に位置する Bir Hospital です。

ネパールで最も古い病院の Bir Hospital ですが、その通常の診療体制においての窮状は THE KATHMANDU POST 「How Nepal’s oldest hospital, and the government that runs it, continue to fail the country’s poor」の記事でも明らかです。カトマンドゥを代表するこの基幹病院、普段でも院内は大混雑で、新型コロナウイルスの感染者が新たに加わればどのような状況になりうるかは容易に想像できます。