愛知県の大村秀章知事は東京都と大阪府では医療崩壊が起きていることにしたいそうです

5月27日付け朝日新聞の記事『「東京と大阪は医療崩壊」大村知事、情報公開求める』には、

新型コロナウイルスの行政対応で、愛知県の大村秀章知事は26日、病院で受け入れ困難だった感染者数や救急件数などの情報公開、検証が全国で必要との考えを示した。特に首都圏や大阪圏に対して、「大きな課題だ」と強調。「ひと山越えてめでたしではない。検証しないとまた同じことになる」と述べた。大村氏はこれまで東京と大阪で医療崩壊が起きていると繰り返し指摘。11日の記者会見では「病院に入れない、救急を断るのは医療崩壊で東京と大阪で起きた。医療崩壊を起こしたら行政としては負け。何を言いつくろっても結果だ」としていた。

と、記されています。東京や大阪で、そして愛知県も含めた全国で、救急医療を含め新型コロナウイルス感染症の診断治療にあたる医療関係者の苦悩をどれほど逆撫でしているかお気づきにならない様です。

通常時でも、救急患者さんが重なると、救急の受け入れを一時的に断らざるを得ない状況は生じえます。愛知県では、発熱や咳等の症状があり新型コロナウイルス感染症の可能性もある患者さんでも診療を断られたことが無く、これからも無い様な発言です。また、この冬どれだけ感染が拡大しても、愛知県では決して医療崩壊は生じないかの様な口ぶりです。新型コロナウイルス感染症対応の鑑、愛知県を羨ましく思います。

4月2日付け日本経済新聞の記事『医療逼迫の指摘に「大変迷惑」愛知知事、専門家会議を批判』では、

愛知県の大村秀章知事は2日の記者会見で、政府の専門家会議が新型コロナウイルスの医療提供態勢が逼迫している都府県の一つに愛知県を挙げたことに、「名古屋市内(の病床)がいっぱいになりつつあるのは事実だが、県全体では十分に対応できる。事実を踏まえない発言は大変迷惑で遺憾だ」と批判した。

と、愛知県内の医療現場が逼迫しても、知事にとっては「事実」ではないそうです。

大阪府の吉村洋文知事は、自身のTwitter

大阪で医療崩壊は起きていません。何を根拠に言っているのか全く不明です。一生懸命、患者を治療する為、受け入れてくれた大阪の医療関係者に対しても失礼な話です。東京もそうですが。根拠のない意見を披露する前に、県は名古屋市ともう少しうまく連携したら?と思います。

と記されています。

 

 

ネパールで初めての新型コロナウイルス感染による死亡者

外国からの帰国者が肺炎症状で死亡しても、新型コロナウイルス感染との関連を否定してきたネパール政府ですが、5月16日付けの Kathmandu Post の「Nepal reports its first Covid-19 death」と題する記事によると、初めての新型コロナウイルス感染による犠牲者を発表したとのことです。29歳の女性で、5月6日にTribhuvan University Teaching Hospital で通常の出産を終え、5月7日に退院、帰宅後まもなく発熱と呼吸困難の症状が生じ、5月14日にDhulikhel Hospital に向かう途中で亡くなったとのことです。病院に到着時に既に亡くなられていあったが PCR 検査を実施し結果が陽性で、the National Public Health Laboratory の再検査でも陽性を呈したとのことです。この時点で、ネパール国内の感染者は 281名とのことです。

5月12日付けの Kathmandu Post の「83 new Covid-19 cases confirmed, the highest in a single day; national tally reaches 217」の記事で、1日に 83名の陽性者が報告されていました。

ネパール政府は、ロックダウンの期間を既に3回延長し 5月7日までとしていましたが、4回目の延長により 5月18日までとなっています。しかしこの際に、制限を緩めてしまっていました。

5月17日付けの Kathmandu Post の「Asymptomatic patients to be quarantined or sent home as ministry expects 1,000 cases in a week」の記事で、

The government has anticipated an exponential rise in the Covid-19 cases throughout the country—1,000 within a week and around 2,000 in 10 days.

政府は、1週間以内に 1000人、10日以内に 2000人の、急激な新型コロナウイルス感染症例の増加を予想しています。ロックダウンの制限が緩やかになり、多くの人がインドから流入し、国内を移動しているのが原因と政府は考えている様です。ある推測によるとこの 1週間の間に 1日平均で約 5700人が Kathmandu Valley に流入しているとのことです。ネパール全土での感染者数が 1000人を超え 2000人にでもなれば、医療崩壊を来すと予想されています。

 

 

COVID-19 流行予測と医療崩壊を防ぐには

Sunihannel News Asia) の3月13日付けの「Up to 150 million Americans could get coronavirus: US projection」の記事では、以下の様に記されています。

WASHINGTON: Between 70 and 150 million people in the United States could eventually be infected with the novel coronavirus, according to a projection shared with Congress, a lawmaker said on Thursday (Mar 12).

Congresswoman Rashida Tlaib made the remarks during a hearing of the House of Representatives with members of the president’s coronavirus task force, confirming earlier reports by US media outlets including Axios and NBC News.

(中略)

The upper end of the projection is about 46 per cent of the US population of 327 million people. By comparison German Chancellor Angela Merkel warned this week that up to 70 per cent of her country’s population could get the virus.

アメリカ合衆国では7千万人から1億5千万人(人口の約46%)が新型コロナウイルスに感染するとの予測がたてられています。先にドイツのメルケル首相が、ドイツでは人口の70%の感染が起こりうると警告したばかりです。

About 80 per cent of coronavirus cases are mild, and the overall mortality rate is around 1 per cent, according to the latest estimate provided by Fauci to Congress on Wednesday.

At the low end of the projection this would mean about 700,000 deaths. At the high end it would mean 1.5 million deaths.

80%は軽症で、致死率を1%と見込むと、アメリカ合衆国では70万人から150万人の死者を予測しています。

社会活動を行う限り、人口の一定割合への感染は避けることはできません。ウイルスと人間のこれまでの戦いの歴史からも明らかです。

コロナウイルスは冬のかぜ症候群の起因ウイルスの代表の一つです。それが変異した COVID-19、罹患しても軽症であれば、治療薬は有りません。周囲の他人に移さないようにひたすらに安静、それが大事です。

限られた医療資源、重篤な患者さんを助けるための入院枠が、軽症者で埋め尽くされることは避けなければなりません。このことが、ようやくマスコミでも報道されるようになってきました。某国の様な医療体制の崩壊を防ぎつつ、重症者の治療を十分に行うにはどうすべきか、厚生労働省と日本医師会の協議も行われています。残念ながら、それらを理解しようすることもなく、PCR 検査の件数を増やすことを執拗に訴える国会議員もまだおられます。

12日の大阪府新型コロナウイルス対策本部専門家会議終了後の、吉村大阪府知事、松井大阪市長の会見でも、「社会活動を元に戻す」ために「効果的な対策にシフトチェンジ」することが重要であると述べられています。医療資源の最適化を目指すために COVID-19 陽性にて入院した患者さんの、自宅待機も含めた退院ルールの見直し、フォローアップセンターの設置などにも言及されています。

光の道筋が少し見えてきました。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」