新型コロナウイルス感染症に関するPCR検査拒否

発熱、咳、咽頭痛、倦怠感などの感冒様症状があり、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合、大阪府では 11月24日からまずかかりつけ医に相談する仕組みに変わりました。かかりつけ医で検査を行う場合もあれば、そこから検査可能な病院等へ紹介を行う仕組みです。医師が検査が必要であると判断すれば、ほぼ確実に PCR検査または抗原検査を受けることが可能です。

一部のマスコミや野党が、PCR の検査数を増やさないのが諸悪の根源の如く主張してきました。実際に十分な検査が可能になったら、何が起こったでしょうか。

令和2年11月27日の新型コロナウイルス感染症対策本部(第 48 回)の資料には、

感染の可能性を自覚しながらも、何らかの理由で検査を受けず、その結果2次感染に至っているのではないかとの指摘もあり、症状の疑われる場合には、かかりつけ医などに相談し、必要な検査に繋がるよう改めて周知していくことが必要。

と記されています。これほどの感染者数増加にもかかわらず、発熱等の感染症状があってもまず受診しない(受診控え)、受診しても新型コロナウイルスの検査を望まない人が多い(検査拒否)、それが実際に起きていることです。その人たちがきちんと、10日なり、2週間なりの感染した場合に準ずる自己隔離を行い、他人との接触を避けているのであれば感染は広まりません。が、そのような規律ある行動をとっているとは到底思えません。

11月27日付けの産経新聞の記事にも

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、感染の有無を判定するPCR検査などを拒否する事例が相次いでいることが27日、医療関係者への取材で分かった。適切な隔離がされず、経路不明の感染を広げている恐れがある。感染者に対する不適切な対応が検査拒否を助長している可能性もあり、医療関係者は早急な対策を求めている。

と記されています。

上記、新型コロナウイルス感染症対策本部(第 48 回)の資料には

特に若年層や働き盛りの世代などに対し様々なチャネルを活用することで、飲食の場面も含むマスクの徹底など実際の行動変容につなげることが必要。

と会食の場におけるマスク着用の重要性があらためて記述されています。神奈川県がマスク会食を推進したり菅首相が国民に呼びかけた際も、マスコミが否定的、批判的な報道ばかりしたせいか、危機意識が低い人が多いのか、飲食店内での喫食以外でのマスク着用は殆どされていません。

 

 

静かなマスク会食 菅義偉首相 新型コロナウイルスの感染状況等についての会見

令和2年11月19日、新型コロナウイルス新規感染者数が、東京都 534人、大阪府 338人と過去最多を記録しました。

東京都では

専門家からは「新規陽性者数等が大幅に増加し、急速な感染拡大の局面」とする報告があり、感染状況を表す専門家コメントは4段階で最高レベルに引き上げられました。

大阪市の松井市長は、

「判断する目安は医療現場の状況だ」として重症患者を受け入れる病床の使用率が、18日時点の35%から、今後50%を超えた場合、府内の飲食店などを対象に営業時間の短縮を要請するかどうか大阪府の吉村知事と検討する必要があるという認識を示しました。また、要請を行う際は、移動の自粛もあわせて行うべきだという考えを示しました。

菅義偉首相は、11月19日の新型コロナウイルスの感染状況等についての会見で、首相官邸の web site によると、

国民の皆さんには、改めてマスクの着用、3密の回避、こうした基本的な感染対策を徹底してお願いしたいと思います。さらに特に専門家からは飲食を通じた感染のリスクが指摘されており、飲食の際でも会話の時にはマスクを着用する、こうした指示を言われております。是非、皆さん静かなマスク会食、これを是非お願いしたい、このように思います。私も今日から徹底したいと思います。

と、飲食の場における会話の際にはマスク着用が必要であることにあらためて言及しました。

感染流行当初から、このことは指摘されていました。5月14日付けの、一般社団法人 日本フードサービス協会と一般社団法人 全国生活衛生同業組合中央会による「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(改正)に基づく外食業の事業継続のためのガイドライン」には

店舗入口及び店内に、食事中以外はマスクの着用をお願いする旨掲示する。

とはっきり記載されています。飲食業界に忖度したのか、テレビ報道などマスコミでこのことが取り上げられることは殆どありませんでした。飲食店側も、理解の足らない客に文句を言われるトラブルを避けるために、注意することはまずありません。緊急事態宣言解除以降に訪れたお店で、お客さんに食事以外の会話の際のマスク着用をしっかり注意を促しているお店は、「ヴァナム vanam」さん、「カオヤム堂」さん、「本家紫藤」さん位で、実際にお客さんもきちんと食事以外で全員がマスクをしていたのは「本家紫藤」さんでした。

東京都は「会食時の感染防止『5つの小』」と新たな言葉を作りましたが、科学的根拠があるとは思えず、何故シンプルに、喫食以外の会話時には必ずマスクをしましょうと呼びかけることをしないのでしょうか。マスクをしなくとも、この5つの小を守れば良いという間違ったメッセージを都民に与えるだけです。

 

新型コロナウイルス感染症に関するネパール語による小池東京都知事からのメッセージ

今年のネパールのお祭りティハール Tihar は、暦の関係で、
Kukur Tihar と Laxmi Puja が同じ日、11月14日に祝われました。

2日目は 【ククルティハール】
(今年2020年は2日目にククルティハールとラクシュミープジャが行われます)
ククルは犬。犬の日になります。ヒンズー教では犬も閻魔大王の使者で、犬の首にマリーゴールドの花輪をかけ、額には赤いティカ(祝福の祈り)をつけてもらい御馳走を食べさせます。

3日目は【ラクシュミープジャ】
新月のこの日はラクシュミーを家に迎えし、お金に不自由なく、家族が健康で幸せに暮らせますように…と祈る特別な日です。

ダサイン Dashain の際もそうでしたが、人々がお祭りで集うことにより新型コロナウイルス COVID-19 の感染拡大のリスクが高まります。ネパール国内でも、11月14日付けの Himalayan Times の記事「Kukur Tihar, Laxmi Puja being observed today amid COVID-19 pandemic」には、

People celebrate Laxmi Puja in every household today by lighting butter lamps and candles inside and outside the households to welcome the Goddess by lighting up the path.

All the nooks and corners of the house including the courtyard and rooms are illuminated with colourful and decorative lights this evening with the belief that Goddess Laxmi does not visit places that are not properly illuminated, and to please Goddess Laxmi, people light lamps and spend the whole night in a vigil.

The night of Laxmi Puja is also known as ‘the Night of Bliss’.

People also play deusi-bhailo following the puja. However, this year the administration offices have banned Deusi-Bhailo revelries and other Tihar-related programmes. The authorities have requested people to keep the possible spread of the virus in mind while celebrating the festival. The offices have urged locals to stay safe while celebrating the festival.

In addition, Nepal Police headquarters has directed all police units to prohibit Deusi-Bhailo programmes in their respective areas during the Tihar festival citing the spike in COVID-19 cases throughout the country.

子どもや若者が歌い踊り家々を回るデウシバイロ Deusi-Bhailo を禁止している様です。

日本国内でも在日ネパール人が集うことによるクラスター発生の危険性が指摘されていると思われ、11月12日に小池東京都知事が「新型コロナウイルス感染症に関するネパール語による都知事からのメッセージ」として、ネパール語で呼びかけを行っています。東京都庁広報課の Twitter で見ることができます。

टोकियोका गभर्नरबाट सन्देश
प्रियजनको सुरक्षाको लागि “संक्रमण नहुने, संक्रमण हुन नदिने” कुरा प्रति सचेत रहौं। 

このことを受け、11月13日に「ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ」のカドカさん朝日放送の番組「キャスト」の取材を受けられ、「とても大事なことを呼びかけていただいていると思う(番組の字幕より)」と答えられたことが放映されました。

 

某プロ野球選手達の新型コロナウイルス 「IgG 抗体陽性」「PCR 微陽性」問題について

某プロ野球選手達が球団が行った新型コロナウイルスの抗体検査で陽性を示したにも拘らず練習試合にも出場、その後 PCR 検査で「微陽性」になったと報じられました。某球団は「微陽性」で「抗体もある」ので、PCR 検査が陰性になればすぐに復帰するような能天気なコメントを発表したと報じられました。

THE PAGE 6月4日付け「問われる巨人の見識と姿勢…なぜ新型コロナ抗体検査陽性の坂本、大城を PCR 検査前に2日の西武戦に出場させたのか?」の記事では、

巨人の説明によると、「2人の新型コロナウイルス遺伝子量(CT値)は微量で、正常値ぎりぎりの『微陽性』にあたる上に、ともに回復を示す『IgG 抗体』を持っていることから、専門家からは2人ともに感染から回復した後、かなりの時間がたっているとの見解を得ている」という。

と、記されています。確かにウイルス感染後に、まず IgM 抗体が増えピークを迎え、少し遅れて IgG 抗体が増えピークに達します。よって IgM 抗体が陰性で、IgG 抗体が陽性であれば過去の感染を示します。確定診断が抗体検査になる「おたふくかぜ、流行性耳下腺炎」は、ムンプスウイルスの IgM 抗体を調べます。ムンプスウイルス IgM 抗体が陽性であれば、「おたふくかぜ、流行性耳下腺炎」と診断されます。現在の医療保険制度では、IgM 抗体とIgG 抗体を同時に保険請求出来ませんので、感染初期の IgG 抗体に着目されませんが、まだ十分感染期にある初期の段階でも、IgM 抗体とIgG 抗体共に陽性になります。ウイルスの種類によって、IgM 抗体のでき方、IgG 抗体のでき方は異なります。新型コロナウイルスについてもまだ抗体のできるタイミングは十分知られていません。にもかかわらず、IgG 抗体が陽性イコール過去の感染と、本当に専門家が結論を出したのでしょうか。IgM 抗体検査は行われていたのでしょうか。IgM 検査を行わず、IgG 検査陽性だけであれば、まだ十分他人へ感染の可能性がある時期かもしれません。IgM 検査が一緒に行われていたとしても、その精度が信頼できる検査方法だったのでしょうか。

NPB が専門家チームの提言を受けて作成したガイドラインでは、感染者には、陰性反応後も、2週間の自宅待機措置を講じることを義務づけようとしているが、今回は、その措置はとられない。

一般の人々でも陰性退院後、2週間は自己隔離が望ましいとされている現状です。今回、該当の選手が早期に復帰するのであれば、社会全体に誤った認識を植え付け、広げてしまいます。

THE PAGE 6月9日付け「巨人の「微陽性騒動」が専門家釈明で決着も全球団 PCR定期検査実施決定で無症状感染者の対応に不安残る」の記事で、

世間では、まるでメディアの造語のようにも受け取られているが、なんらかの意図をもって巨人が賀来・特任教授の会話の中の言葉を切り取り、あたかも医学用語のようにプレスリリースに掲載したことが発端なのだ。  

さらに賀来・特任教授は、「ぜひ、ご理解をいただいて、その言葉は使わないでいただきたい、と私からもお願いします」と、今後、無症状感染者を表す場合の医学用語として「微陽性」を使用しないことを訴えた。

と、「微陽性」を某球団が都合の良いように使い、マスコミが検証することなく使用した様です。

スポーツ新聞などマスコミ各社は某球団に忖度して報じない方針の様ですが、東スポは 6月9日付け「原巨人大誤算!坂本開幕スタメンピンチ」の記事で、

斉藤コミッショナーは陽性者が出た際の復帰の基準を聞かれ「時間をおいて(PCR検査)陰性2回。今のルールはそれで退院はしていい」としたが「だけどすぐ外で活躍していいというふうには今はなっていない。今日現在は(専門家チームの)三鴨先生(愛知医科大)も何回もおっしゃってましたけど、法治国家なんだからルールを破ることはできない。今現在だと(経過を)2週間、見なきゃいけない」と明言した。

と、斉藤 惇 NPB コミッショナーの発言をきちんと報じています。

 

この冬の新型コロナウイルス感染症の大流行期に入学試験ができるのでしょうか

どうやら来年からの 9月入学は見送りになった模様です。この冬、必ずやってくる新型コロナウイルス感染症の大流行の時期に、果たして入学試験が出来るのでしょうか。緊急事態宣言が再度発出され、休校措置を執らざるを得なくなった場合、来年 3月までにこの学年のカリキュラムを修了させることが、果たして可能なのでしょうか。反対の声を大にしている人々は、この点をなぜ軽視出来るのでしょう。

6月2日付け河北新報『宮城知事「危機意識欠く」自民WTの9月入学見送り提言案を批判』の記事で、

自民党のワーキングチーム(WT)が9月入学制について「直近の導入を見送るべきだ」とした提言案を巡り、村井嘉浩宮城県知事は1日の定例記者会見で「(新型コロナウイルスの)感染第2波が起きれば、さらに休校が続きかねない。危機管理意識が欠けている」と批判した。同党出身の村井知事は提言案への所感を問われ、「大変残念」と吐露。集団感染で小学校が再び休校となった北九州市の例を挙げ、「与党も再発の可能性を認識しているはずだ」と判断を疑問視した。
WTの提言案では、9月入学制の導入は経済損失や国民の心理的負担を理由「一定期間を要する」と指摘した。村井知事は「今の子どもたちを考えた上で対応するのが国民に寄り添った政治」と反論した。「橋の整備は1年でできないが、ソフト事業はやる気になればできる」と強調。「再休校の後に慌てて議論しても間に合わない。そうなれば、失政と言われても仕方ない」と言い切った。

村井嘉浩宮城県知事のごく当たり前の意見が伝えられています。

吉村洋文大阪府知事は5月29日の段階で、自身のTwitterで、

大阪府、夏休み10日 冬休み7日に短縮 休校続き、授業時間を確保 →9月入学は本当にできないのか。真夏は熱中症の問題もある。エアコンのない学校もある。今後、コロナの大波もあり得る。コロナとインフルのリスクの中での受験は妥当か。今年度は1年半でやるべきだ。

と、今回の政府の弱腰の判断を見越して懸念を示しておられました。

PCR 検査せよと叫ぶ人に知ってほしい問題

新型コロナウイルス感染症における PCR 検査について、国会議員の無責任な発言がいつまでも止まりません。BUZZ FEED JAPAN 5月14日付け 『実際の感染者数を誰も答えることができない理由 – 立憲民主の福山議員の質疑を検証してみた』の記事では、「#福山哲郎議員に抗議します」「#尾身先生を応援しよう」で有名になった 5月11日の参議院予算委員会での立憲民主党の福山哲郎議員の発言を検証しています。米国国立衛生研究所(NIH)博士研究員の峰宗太郎氏は、日本を含む8か国の PCR 検査数を、各国の流行状況を反映させるために、患者数、死亡者数で割ったものと、各国の流行状況を反映していない人口100万人あたりの検査数のグラフを示し、

このPCR 検査数のグラフからわかるように、日本は流行状況を加味しなければ確かにPCR 検査数は比較的少ないことがわかります。しかし、流行状況を加味した棒グラフをみていただくと、韓国、ドイツの次にPCR 検査数が多いことがわかります

と分かりやすく説明し、

全数が把握できていないことで責めるのは、的外れで勉強不足で理解ができていないように思います。適切な検査とはなにか、検査の目的とは何か、状況把握は何のために必要なのか、施策を打つのに必要な考え方と把握すべき情報はなにか、冷静に学び、把握してから専門家にその状況や解釈を尋ねるべきではないでしょうか

と、不勉強のまま声高に的外れの質問を行うことに疑問を呈されています。

東洋経済 ONLINE 5月12日付け 『「PCR 検査せよ」と叫ぶ人に知って欲しい問題 – ウイルス専門の西村秀一医師が現場から発信』と題する記事では、実際に PCR 検査を行う立場の、国立病院機構仙台医療センター西村秀一氏からの提言が記されています。

インフルエンザのように効く薬があってすぐに処方してくれるということなら、やる意味はあるでしょう。「陽性」という結果は役に立つことになる。そうではない現状ではやみくもな検査は意味がない。

いつまでもやってくれないという話が出ているが、症状が悪化したらCTを撮ったり呼吸を見たりして肺炎の治療をきちんとやっているわけです。特効薬がない中では命をつなぐ治療が重要だ。

もしコロナだったら家族にうつしたくないから知りたいという要請はわかる。(中略)とりあえずコロナかどうか確認したいから検査をするということは、PCR 検査に関わる資源に限りがある以上、無理な話だ。また、陰性だから安心できるというものではなく、防御はいずれにしても必要だ。

と、多くの医療関係者が共通認識として持つ見解を、明快に述べておられます。

5月19日のテレビ朝日のモーニングショーで玉川徹氏は、新型コロナウイルスに感染していても PCR 検査では 7割程度しか陽性として検出できず、3割程度は偽陰性を生じうる可能性について、

7割位の精度に落ちてるって言うのは、多分にその採った場所にいないとかね、それからあと採り方が今一つ上手くなかったとか、そういう手技の部分か採る場所の部分に依存している部分が大きい

と言い放ち、公共の電波を使い、携わるすべての医療関係者を中傷しました。

細野豪志氏が、すぐに 自身のTwitter で、

玉川徹氏は常にテレビでコメントできる特権的な立場にある。平時は色んな意見があっていいと思うが、有事に専門外の人間が付け焼刃の発言をして現場を混乱させるのは本当に困る。考えてもらった方が良いと思う。東日本大震災後の彼の無責任な発言には本当に苦労した。

とコメントされました。テレビ朝日社員である玉川徹氏、自身の経歴を

浪人後、京大農学部に進学した。バイオテクノロジーに興味があったが、希望かなわず農業土木分野へ進む。

と、日刊スポーツの取材に答えておられます。PCR 検査は、まさにバイオテクノロジーの基本です。

現在、多くの都道府県で、地元医師会の協力を得て、帰国者・接触者外来が開設され PCR 検査を担っています。どれだけ多くの PPE(個人防護具)が必要で、感染対策の基本となるゾーニングだけでもいかに大変か、マスコミはもっと報道すべきです。

 

 

ネパールで初めての新型コロナウイルス感染による死亡者

外国からの帰国者が肺炎症状で死亡しても、新型コロナウイルス感染との関連を否定してきたネパール政府ですが、5月16日付けの Kathmandu Post の「Nepal reports its first Covid-19 death」と題する記事によると、初めての新型コロナウイルス感染による犠牲者を発表したとのことです。29歳の女性で、5月6日にTribhuvan University Teaching Hospital で通常の出産を終え、5月7日に退院、帰宅後まもなく発熱と呼吸困難の症状が生じ、5月14日にDhulikhel Hospital に向かう途中で亡くなったとのことです。病院に到着時に既に亡くなられていあったが PCR 検査を実施し結果が陽性で、the National Public Health Laboratory の再検査でも陽性を呈したとのことです。この時点で、ネパール国内の感染者は 281名とのことです。

5月12日付けの Kathmandu Post の「83 new Covid-19 cases confirmed, the highest in a single day; national tally reaches 217」の記事で、1日に 83名の陽性者が報告されていました。

ネパール政府は、ロックダウンの期間を既に3回延長し 5月7日までとしていましたが、4回目の延長により 5月18日までとなっています。しかしこの際に、制限を緩めてしまっていました。

5月17日付けの Kathmandu Post の「Asymptomatic patients to be quarantined or sent home as ministry expects 1,000 cases in a week」の記事で、

The government has anticipated an exponential rise in the Covid-19 cases throughout the country—1,000 within a week and around 2,000 in 10 days.

政府は、1週間以内に 1000人、10日以内に 2000人の、急激な新型コロナウイルス感染症例の増加を予想しています。ロックダウンの制限が緩やかになり、多くの人がインドから流入し、国内を移動しているのが原因と政府は考えている様です。ある推測によるとこの 1週間の間に 1日平均で約 5700人が Kathmandu Valley に流入しているとのことです。ネパール全土での感染者数が 1000人を超え 2000人にでもなれば、医療崩壊を来すと予想されています。

 

 

9月入学と入学試験時期の新型コロナウイルス感染再燃

大阪府の吉村知事は、4月28日、自身の Twitter で、

世界の先進諸国はほぼ9月(8月)入学。今後、10年、20年先の日本の将来を考えた時、若者が世界で活躍しやすいように、日本も世界標準の9月入学にすべきだ。現在のコロナの休学に伴う学力格差を防ぐことにもなる。勿論、9月までの子供達の心のケアは当然担保する。明日の全国知事会で強くプッシュする。

とツイートされました。5月1日の日本テレビの報道によると、

学校の休校が長期化していることを受け、入学や新学期の時期を今年の9月に変更する案について文部科学省が論点を整理して自民党に提示したことが分かりました。文部科学省が自民党の会議に提示した資料によりますと、「9月入学」の利点として学びの保障や国際化への対応などをあげています。一方、実現するにあたっての主な課題として、一律に5か月の遅れが生じることへの国民の理解や小学校の入学が遅れる子供の保育園の受け入れの課題があげられています。さらに、就職が半年遅れることや事業年度や会計年度とずれることへの影響、国や自治体での法律改正を短時間で実施する必要性を指摘しています。

とありますが、検討するとしても早くとも 2021年の秋の話であると文部科学省は考えているとの報道もあります。

大事な論点が、マスコミなどでもあまり取り上げられていません。今回の非常事態宣言発出により、新型コロナウイルス感染症の感染者数の減少傾向がみられています。しかし、各国の専門家が既に指摘しているように、この冬に再び大流行を生じることは必至です。生じた流行の中で、高校や大学などの入学試験を行うことが果たして可能なのでしょうか。

NHKの5月2日の報道では

全国の保護者などでつくる日本 PTA 全国協議会は文部科学省に対して、9月入学は慎重に検討するよう求める要望書を提出しました。この中では、突然の9月入学の議論の高まりは子どもたちに不安を与え、保護者にとっても戸惑いが生じているとしたうえで、今は、子どもたちの心と体のケアや、感染防止対策をして、学校を再開させるため、予算と時間を費やすことが必要だと指摘しています。さらに、始業の時期を9月に遅らせることで学校の負担や家庭の経済的な影響が増すことなどが強く懸念されるとして、慎重に検討すべきとしています。

「子どもたちに不安与える」と煽っていますが、冬の新型コロナウイルス感染症流行の中で入学試験を受ける(受けることが出来ないかもしれない)不安については言及していません。

現行の制度では、インフルエンザの流行期に入学試験が行われています。受験生、保護者は、インフルエンザでさえも感染に対し神経質になります。新型コロナウイルスでは、それ以上の不安を募ります。日本 PTA 全国協議会は、この点についての見解を明らかにして頂きたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

集団免疫 新型コロナウイルス COVID-19 スウェーデンの政策と他国の政策

4月24日付けの時事ドットコムニュース「「封鎖せず」独自路線 自主性尊重、「集団免疫」目指す―スウェーデン・新型コロナ」の記事で、

新型コロナウイルスの感染が深刻化し、多くの国がロックダウン(都市封鎖)状態にある欧州で、封鎖をしない北欧スウェーデンの「独自路線」が注目を浴びている。ソフト対策の背景には、強制より個人の自主性を尊重する伝統が根強いほか、医療制度が充実し医療崩壊の懸念が少ないことなどがある。さらに多数が自然感染して免疫を持つことでウイルスを抑制する「集団免疫」の形成も念頭にあるとされる。 スウェーデンの新型コロナウイルス対策をめぐっては、経済的打撃が少ないとして期待が寄せられる一方、高い致死率など感染拡大のリスクに懸念も出ている。(中略)スウェーデンでは23日時点、感染者が約1万6000人なのに対し、死者は2000人近くに上る。厳格な外出規制を実施している隣国フィンランドやデンマークなどと比べ高い致死率で、封鎖しないことによるリスク増に対する懸念も強い。報道によれば、スウェーデンの研究者らは地元紙への寄稿文で「(事態悪化を防ぐ)迅速かつ抜本的な措置」が必要とし、政府に政策見直しを迫った。
一方、スウェーデン保健当局の疫学者、アンダース・テグネル博士は最近、地元メディアに「首都人口の多くが免疫を獲得し、感染抑止に効力を発揮し始めた。数理モデルは5月中(の集団免疫達成)を示している」と解説。「独自路線」が功を奏するかどうか、世界が展開を注視している。

スウェーデンは、ロックダウン政策を行わず、多くの国民が感染し免疫を獲得(集団免疫)すれば、それ以上感染が広がらないとの前提で、経済への打撃が少なくて済む政策の選択をしました。英国も当初、この方針でいましたが、感染拡大のシミュレーションの報告を受けロックダウン政策に舵を切りました。死亡者数も多くないように見えますが、スウェーデンの人口は約 1033万人、日本の人口約 1億2600万人の約 12分の1です。死亡率も他の国より高く、感染者の8人に1人が亡くなっています。感染者数、死亡者数を、日本の人口規模に換算すると、感染者数約 19万2000人、死亡者数 2万4000人になります。4月25日現在、日本では、PCR 陽性者数 1万2829人、死亡者数 334人(死亡率 2.6%)です。PCR 検査数が大きく異なるので、感染者数については言及しませんが、死亡者数、死亡率をみると、日本の方が明らかに少ない結果です。

4月25日付けの BBC News 「Coronavirus: Has Sweden got its science right?」の記事では

A public health agency report this week suggested around a third of people in Stockholm will have been infected by the start of May.

That was later revised down to 26% after the agency admitted a calculation error. But several high-profile scientists have offered even greater numbers.

Prof Johan Giesecke, ex-chief scientist of the European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC), believes at least half of all Stockholmers will have caught the virus by the end of the month.

It could even be up to half the population of Sweden, suggests Stockholm University mathematician Tom Britton.

と、記されています。5月初めまでにストックホルムの約 3分の1(後に約 26%と訂正)、5月末までに約半数が罹患すると計算されています。

上記の記事で共同通信は「数理モデルは 5月中(の集団免疫達成)を示している」と書いていますが、50%の罹患では集団免疫は成り立ちません。

4月10日付けの The Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health 「What is Herd Immunity and How Can We Achieve It With COVID-19?」の記事で、集団免疫 Herd Immunity とは何かをまず説明しています。

When most of a population is immune to an infectious disease, this provides indirect protection—or herd immunity (also called herd protection)—to those who are not immune to the disease.

For example, if 80% of a population is immune to a virus, four out of every five people who encounter someone with the disease won’t get sick (and won’t spread the disease any further). In this way, the spread of infectious diseases is kept under control. Depending how contagious an infection is, usually 70% to 90% of a population needs immunity to achieve herd immunity.

人口の一定割合以上が免疫を持っていると、間接的な予防、集団免疫とも呼ばれ、感染をコントロールすることが出来ます。感染力の強さにも依りますが、通常、人口の 70%から90%が(感染あるいはワクチンによって)免疫を持たないと、集団免疫は成り立ちません。

4月24日付けの TIME 「No, You Should Not Have or Participate in a Coronavirus Party. Here’s What to Know About Herd Immunity」の記事でも、Dr. Anthony Fauci, director of the National Institute of Allergy and Infectious Diseases and member of the White House Coronavirus Task Force の言葉を引用し、

“We really can’t depend on herd immunity until we get either enough people infected, or enough people vaccinated,” he said during the Thursday interview. That means either a vaccine is developed and the vast majority of people become immune to the virus, or 70-80% of people contract the virus through community spread and develop antibody protection, indirectly protecting the rest of the population that is not yet immune to the virus.

と解説し、集団免疫には 70から80%が必要であると記しています。

“Eventually, we [will] achieve herd immunity, but we don’t want that to happen quickly,” says Gypsyamber D’Souza, a professor of epidemiology at the Johns Hopkins University Bloomberg School of Public Health. “There would be so many deaths.”

Gypsyamber D’Souza, a professor of epidemiology at the Johns Hopkins University Bloomberg School of Public Health は、早く集団免疫を獲得しようとしても、多くの死を招くだけと警告しています。

“We will not get to herd immunity in the close future, in the next year or two, but the preventive measures that we’re taking now”—like maintaining social distancing—“are buying us time to develop a vaccine that we can hopefully use to immunize ourselves and get herd immunity that way,” D’Souza says.

集団免疫は 1年や 2年の近い将来には獲得できず、社会的距離を保つことなどの現在の予防手段は、自身の免疫を得て、集団免疫を獲得するワクチンの開発までの時間を稼いでいると、同教授は結んでいます。

 

新型コロナウイルス感染症 クラスター対策専門家 記者意見交換会 2020年4月15日 西浦博教授

新型コロナウイルスクラスター対策専門家のTwitter のアカウントで、

今朝「新型コロナウイルス感染症 クラスター対策専門家 記者意見交換会」の第一回目を開催しました。 クラスター対策専門家の現状分析や提言を皆さまに広く知って頂くために、今後も定期的にメディア向けの意見交換会を行っていく予定です。

と 4月15日にお知らせされましたが、その会見の動画がどこにもアップされていません。マスコミを通すと、一部だけ切り取られたり、政府の方針に対する批判材料に使われるだけで、専門家の方が言わんとすることが「正確に」国民に伝わりません。同じことを考えておられる方も多く、動画の公開を望むコメントが多く寄せられています。

会見を要約したスポーツ報知の記事を引用しますと、

厚労省クラスター対策班で北海道大の西浦博教授(理論疫学)が15日、会見し、感染防止対策を全く行わない場合、国内の重篤患者は約85万人に上り、うち約42万人が死亡するとの試算を公表した。またウイルスの流行を長期化させないために、人と人との接触の「8割減」を強調した。

衝撃的な試算が公表された。西浦氏は「感染防止対策を全く行わなかった場合のもの」と前置きし、「人工呼吸器などが必要となる重篤患者は、15〜64歳で約20万人、65歳以上で約65万人となり、うち49%が死亡する」と明らかにした。これに基づくと、重症患者の約42万人が死亡する。欧米の感染状況をもとにした「最悪のシナリオ」だが、現在の日本の感染状況や、防止対策が行われた場合の重篤患者数や死者数については「調査中」とした。この試算を公表した理由については「どれくらい重篤化や死亡するリスクがあるかをみなさんに知っていただき、感染防止対策を行ってもらいたかった」と話した。

すでに「緊急事態宣言と新型コロナウイルス感染症拡大のシミュレーション COVID-19」でも引用した、Imperial College London の WHO Collaborating Centre for Infectious Disease Modelling; MRC Centre for Global Infectious Disease が出した「Report 12 – The global impact of COVID-19 and strategies for mitigation and suppression」と題する報告、それに添付されたデータ、Data on global unmitigated, mitigated and suppression scenarios: Imperial-College-COVID19-Global-unmitigated-mitigated-suppression-scenarios.xlsx に記された各国毎のシミュレーションの数字があり、けっして「衝撃的」なものではありません。

「日本は何も対策しない場合、ウイルスの基本再生産数 Ro : Basic Reproduction Number(感染力のある 1人の感染者が、免疫の獲得もしくは死亡によりその感染力を失うまでに何人の未感染者に伝染させたかの人数)が最も高い予想値 3.3 であれば、人口約 1億 2600万人のうち、約 83% の約 1億 500万人が感染し、入院ベッドが約 580万床必要、約 195万人が集中治療を必要とし、約 147万人(死亡率約 1.4%)が亡くなるとの予測です。対策を出来る限り十分に行い、ウイルスの基本再生産数が最も低い予想値 2.4 でも、約 39%の約 4900 万人が感染し、入院ベッドが約 154万床必要、約 31万人が集中治療を必要とし約 23万人(死亡率約 0.5%)が亡くなるとの予測でした。

西浦氏の試算は、オーバーシュート(患者の爆発的急増)が起きた欧州の事例を基に、1人の感染者が平均2・5人にウイルスをうつすと仮定したもの。

今回、西浦博教授は Ro を 2.5と想定して試算された様で、約 85万人が集中治療を要し、約 42万人が亡くなるとの試算です。最近の欧米でのオーバーシュートによる死亡率の高さが、シュミレーションの要因に組み込まれているので、前述の数字より若干多めの予測になったのか、出席した記者は質問してくれていないのでしょうか。

政府は7日の緊急事態宣言以来、人と人との接触を「最低7割、極力8割削減」を呼び掛けているが、西浦氏は「8割減」の対策の必要性を強調した。「8割減」では約1か月で新規感染者数を急激に減少させることが可能だが、「7割減」では大幅な減少に約2か月かかり、「甘い削減だと長期化する」と指摘した。

なぜ、この時期、西浦博教授が改めてこの数字を出してこられたのをよく考える必要があります。緊急事態宣言は発出されましたが、諸外国のロックダウンには程遠い状況です。国民の「接触を 8割減らす」ことへの甘い認識を、今一度改めないとオーバーシュート、医療崩壊はすぐにやってきます。ロックダウンしても、接触を 7割減らすのがやっとという数字も諸外国で報告されています。

では、「8割減」達成のためには、どのような行動が必要なのか。西浦氏は、「一日10人と会っていたのを2人にする」とし、接触時間だけでなく、接触回数を減らすことを呼び掛けた。また「対面での食事」や「2メートル以内で30分以上の会話」などが危険な行動とし「例えば、子どもを公園で遊ばせるのは問題ないが、その間に母親同士がランチをしたりするのは避けるべき」と指摘した。

接触を避け、かつ、頑張ってお店を開けておられる飲食店を助けるには、現状では 1人で黙って食事をするか、テイクアウトしかありません。連れ立っての会話をしながらの食事は厳禁です。

Science 14 Apr 2020 の 「Projecting the transmission dynamics of SARS-CoV-2 through the postpandemic period 」には

We projected that recurrent wintertime outbreaks of SARS-CoV-2 will probably occur after the initial, most severe pandemic wave. Absent other interventions, a key metric for the success of social distancing is whether critical care capacities are exceeded. To avoid this, prolonged or intermittent social distancing may be necessary into 2022. 

第一波の感染の後、この新型コロナウイルスは冬場に再びアウトブレイクを迎えます。他の介入が無い場合、social distancing 社会的距離を保つことが成功するか否かの評価は、集中治療の受け入れが超えてしまわないかです。このことを避けるためには、social distancing 社会的距離を保つことを継続的に、あるいは断続的に 2022年まで行う必要がありますと記され、

Even in the event of apparent elimination, SARS-CoV-2 surveillance should be maintained since a resurgence in contagion could be possible as late as 2024.

明らかに根絶できた様に見えても、感染の再発は 2024年まで生じる可能性があるので、この新型コロナウイルス感染症の監視は維持されねばならないと結論付けられています。

このように、緊急事態宣言の期限と設定されている、5月6日で感染が完全に収束するのではありません。必ず、冬場に第二、第三の感染爆発の波がやってきます。重症者の治療が行える余力が保てるように、皆が接触を控え、感染のピークを出来るだけ遅く、小さくする必要があります。西浦博教授も同様のシミュレーションではすでに計算済みだと思います。これに関する、教授の意を汲む記者の質問があったのか、改めて会見の動画をアップして頂きたく思います。

ゴールデンウイークに帰省や観光で、人の移動があれば、接触の 8割減など到底達成できません。全国に緊急事態宣言が発出される必要があり、実際に 4月16日夜に政府は決断した様です。地方の県知事さん、危機意識の薄い発言をなさっている方がおられますが、地方こそ集中治療室の数が少なく、数少ない中核病院で院内感染が生じれば、すぐに医療崩壊してしまいます。

新型コロナウイルス関することを記したものを、綴っています。
→「新型コロナウイルス COVID-19」