Jason Pierre-Paul ジェイソン ピエール ポール の2つめの Super Bowl Ring スーパーボウルリング

2月7日に行われた NFL Super Bowl LV 第55回 スーパーボウルで、Tampa Bay Buccaneers タンパベイバッカニアーズが2度目の優勝を果たしました。QB の Tom Brady トム ブレイディが移籍 1年目で、通算 7回目の優勝を飾ったことばかりが注目されますが、その昔息子が夢中だった DE、LB の Jason Pierre-Paul ジェイソン・ピエール・ポールにとっても 9年ぶり 2度目の優勝です。

彼に注目した 2月3日付けの REUTERS の記事「Bucs’ Jason Pierre-Paul overcame a double dose of adversity」

Either of those injuries could have been career-ending, but the 32-year-old Pierre-Paul made it through both doses of adversity and is one of the top defensive players on a Tampa Bay squad that will battle the powerful Kansas City Chiefs in Sunday’s Super Bowl.

と記されているように、ピエール・ポールは 2015年7月4日に独立記念日を祝う花火で右人差し指を切断し他の2本の指も一部を失い、2019年5月には車の単独事故で頸椎骨折を負うという、選手生命の危機に 2度も遭遇しました。

2010年 1巡目で New York Giants ニューヨークジャイアンツに指名され、2011年シーズンのスーパーボウル制覇に貢献し、Eli Manning イーライ マニングと共にチームの顔であった彼が Tampa Bay Buccaneers にトレードされたのが 2018年でした。

今回のスーパーボウル直前の Injury Reports でも、膝の故障で水曜日と金曜日には練習に参加せず心配されていましたが、無事先発出場を果たしました。結果、2つ目のスーパーボウルリングを手にすることになりました。

ソロタックルが 3つと パスディフェンス が 1つのみに終わり、QB サックを 2つ決めた Greenbay Packers グリーンベイ パッカーズ戦ほどの活躍は、数字の上では見ることができませんでしたが、専門家はしっかり見ています。2月8日付けの USA Today の「Shaquil Barrett, Jason Pierre-Paul, two steps and the play that turned Super Bowl LV」の記事で、

Both Barrett and Pierre-Paul beat their blockers, forcing Mahomes outside the pocket and out of the camera view for a moment. Forced to yet again run for his life, the quarterback eventually runs out of time and options, lofting a throw towards the sideline and away from any available receiver.

と、バレット と ピエールポール のパスラッシャーの 2人の、第2クオーター終盤のプレーを動画付きで褒め称え、

But what is so beautiful about this play from the two Buccaneers defenders is how they implement the same pass-rushing move in concert. The dance of the pass rusher can be a wonderful, artistic thing when executed at a high level, and that is what Barrett and Pierre-Paul do on this snap. Each releases off the line and threatens the right shoulder of the nearest blocker. Then, simultaneously, each explodes off his left foot and onto his right, meaning Barrett now angles to the inside of the right tackle while Pierre-Paul cuts to the outside of the left guard. Both tackle and guard are left grasping at air, while the two defenders continue unabated toward the QB:

と、この 2人の動きを詳細に解説しています。

 

 

開幕後1勝7敗からまさかのプレーオフ出場の可能性 New York Giants NFL

今年の NFL、NFC-East の New York Giants は開幕から連敗を重ね、シーズンの半分が終了した時点で、★★★★★☆★★、1勝7敗とここ数年の様に低迷していました。来年のドラフトの選択順位が早くなることだけが楽しみになっていました。

しかし、その後 Week 12 の Cincinnati Bengals 戦まで 3連勝、Week 13 は NFC-West で首位の Seattle Seahawks 戦でした。エース QB Daniel Jones を負傷で欠き、バックアップ QB のベテラン Colt McCoy に託しましたが、まさかの 17-12 で勝利。★★★★★☆★★☆☆☆☆、ついに5勝7敗で Division の首位に躍り出てしまいました。地区優勝、プレーオフ進出の望みも出てきました。

当面のライバルとなる Washington Football Team が、こちらもバックアップ QB のベテラン Alex Smith の活躍で、開幕 11連勝の Pittsburgh Steelers を破る大番狂わせを演じ、5勝7敗となったのは計算外でした。

このコロナ禍の状況下、接触の激しいスポーツの興行を続けるのもアメリカならです。新型コロナ感染症プロトコル NFL-NFLPA COVID-19 protocols を定め、チーム、選手に遵守を求めています。

During this unprecedented year, the NFL distributed a consolidated set of the NFL-NFLPA COVID-19 protocols for the 2020 regular season that prioritize mitigating risk for players, staff, media, and everyone involved with the game.

Week 12 の Denver Broncos の様に、このプロトコルに従い、ロースターの QB 全員が出場できないという事態も生じています。チームは急遽 practice squad から WR の Kendall Hinton を昇格させ、QB としての十分な練習もままならないまま NFL デビューさせる大胆な対応をとり話題になりました。New Orleans Saints  に3 対 31 で惨敗でしたが、Denver Broncos の公式 Twitter は彼を讃えています。

There was a game today.   The final score is what it is.   Undrafted rookie WIDE RECEIVER @Kendall_Hinton2 came off the practice squad, had zero practice reps and competed in his first NFL game as the Broncos’ QUARTERBACK—an unprecedented situation.   He deserves all the respect.

 

NFL ドラフト 2018 ニューヨークジャイアンツ

2012年のNFLドラフト1巡目全体32位でNY Giants ニューヨークジャイアンツの指名を受けたのがDavid Wilson、ポジションはRBランニングバックでした。開幕戦で痛恨のファンブルを犯し、翌2013年には首に故障を抱え、2014年に手術、そのまま引退しました。以降、RB陣は精彩を欠き、レッドゾーンオフェンスに問題を抱えたままチームは低迷期に入ってしまいました。昨シーズンはついにEli Manningの連続先発出場も途切れ、チームも3勝13敗、今ドラフト全体指名順位2位ということもあり、当初はQBクォーターバック指名も当然かと思われていました。しかしGM Gettlemanの意向は、来年もQBはEli Manning、ドラフトはそれを支える素材の補強ということが分かると、mock draftでもRBランニングバックSaquon Barkleyの指名の予想が増えました。残された興味は、trade downして他の指名権を得る策に出るか位でした。蓋を開けると、trade downはせずに全体2位でSaquon Barkleyを指名するという、順当な指名に終わりました。この辺りの事情は、ESPNの「New York Giants’ 2018 draft: Analysis for every pick」がよく解説しています。

No trade:
The Giants knew they wanted Barkley. They weren’t even going to contemplate risking the chance to land what they considered “the unanimous best player in the draft.” When they knew he was there at No. 2, the room exploded and they all slapped hands. There was no serious talk of a trade. The Giants had such a strong conviction on Barkley that Gettleman told them not to even field calls for the pick. “They took Mayfield, we were taking Barkley. End of decision,” he said.

Giants’ future at QB:
The Giants are all-in on Eli Manning. That much is clear. Gettleman said the long-term plan is that “[Manning’s] gonna play.” The GM told everyone to stop worrying about age, before comparing Manning to players such as Tom Brady and Julius Peppers. Gettleman said, “Some guys are just freaks.” Clearly, the Giants aren’t as concerned about their long-term future at the game’s most important position as most outside their building. They also liked what they saw from last year’s third-round pick, Davis Webb, although it remains unclear where he stands in the future plans other than as a contingency plan for Manning.

2巡目全体34位で、ランニングゲームの手助けとすべく、左右どちらかのGuardを任せることの出来るWill Hernandezを指名し、3巡目全体66位でOutside LinebackerのLorenza Carter、3巡目全体69位でDefensive End かNose Tackleに起用できるB. J. Hillも指名しています。

3月下旬から4月上旬に流れたOdell Beckham Jr. のトレードの噂話もいつの間にか消えていきました。今度は、Erek Flowersのトレードが下位の指名権との交換で行われるかがday 3 の注目です。

NFL ドラフト 2017

少し前に2014年の映画Draft DayをレンタルDVDで見る機会がありました。NFLファンには堪らない魅力のストーリーでしたが、そのドラフトのシステム自体が良く知られていない日本では当時あまり話題にもならず、上映する映画館も限られていました。今年のNFLのドラフトが始まりましたが、映画のような大きなドラマは起こりませんでした。指名順1位のBrownsは予想通りのDE Myles Garrettの指名で波乱はありませんでした。ただ指名順3位のBearsが指名順2位の49ersと取引を行い、全体2位でQB Mitchell Trubisky を指名しました。

New York Giantsは予想では1巡目にTEかOTを指名する可能性が示唆されていましたが、結局はTEの選択でした。ただMock DraftではDavid Njoku(Miami)が挙げられ、Giantsの順になった時にはまだ残っていたにも拘らず、Evan Engram(Mississippi)をチームは選びました。McAdooの戦略によりフィットすると考えてのドラフトということなのでしょう。2巡目ではDT Dalvin Tomlinson、3巡目ではEli Manning後を見据えてのQB Davis Webb指名となっています。

NFL観戦記 ニューヨークジャイアンツvsワシントンレッドスキンズ 2013

NFL観戦記 ニューヨークジャイアンツ vs ワシントンレッドスキンズ 2013

子供の頃、田舎の放送局でもNFL(National Football League)のダイジェストを放送していました。すぐにルールも覚えましたが、実際の試合を見たことはありませんでした。2年余り暮らしたロサンゼルス近郊には当時NFLのチームはなく、なかなか観戦の機会が訪れませんでした。今度は息子がNFLに興味を持つようになり、その頃にスーパーボウルを制したのがニューヨークジャイアンツでした。以来、彼はNFL、特にジャイアンツの熱心なファンとなり、勉強で記憶すべき物理の法則や、化学式よりも、他チームも含め全選手の名前を覚えることを優先するようになりました。

NFLシーズンは9月に始まり、年末か年始でレギュラーシーズンが終わり、以降は負けたら終わりのトーナメント、ポストシーズンに入ります。今年も、丁度今頃がその佳境です。日本から観戦に出かけるには、仕事を休んでまでは行けませんが、仕事納め以降の正月休み期間であれば何とかなります。

NFLのチケット購入

NFLの各チームにとって、レギュラーシーズンは16試合しかなく、ホームゲームとなるとわずか8試合しかありません。人気チームはシーズンチケットで完売となり、1試合ごとのチケットを購入するには、そのシーズンチケットを持っている人から買わねばなりません。チケット業者に依頼する方法もあるのでしょうが、各チームのweb siteからTicketmasterを介して購入することが出来る仕組みが確立されています。

NFL Ticket Exchange: Buy and Sell Giants Tickets
You can also buy and sell Giants tickets and parking passes with NFL Ticket Exchange at NFL.com powered by Ticketmaster. Buy tickets direct from season ticket holders and other fans or sell your tickets for games you are unable to attend. For more details, visit the NFL Ticket Exchange.

座席の位置、どのセクションの何列目のどの番号の座席かも知ることが出来て、売り手が設定した値段で納得すれば、購入することが出来ます。もちろん、Ticketmasterにしっかり手数料もとられます。需要と供給のバランスですので、調子よい人気チームは値段も高く、終盤にかけポストシーズン進出の望みが絶たれたチームは安くなるのは必然です。直前に購入すれば、チームに負けが込んでいれば安くなるでしょうが、日本から見に出かける場合、航空券やホテルの手配と同時にチケットの手配もしたくなるので、シーズン前かシーズン序盤にチケットの購入をすることになってしまい、ほどほど高い値段になります。

New YorkからMet Life StadiumへNew Jersey Transitを使って

この年のNFLの第17週、ニューヨークジャイアンツは本拠地メットライフスタジアムでワシントンレッドスキンズを迎える最終戦です。当日行われる全16試合のうち、栄えある?結果がプレイオフに影響しない3試合のうちの1試合です。前日のニューヨークは快晴、気温もそこそこでした。当日は雨の確率100%で、レーダー予想でも南西から北東に雨雲が通過し午後に雨量が増えるとのことでした。

朝10時頃に6th Ave. & 53rd St. のホテルHilton Midtownから、7th Ave. & 32nd St.のNew York Penn Stationまで、Times Squareを通って、30分足らずの街中のお散歩です。まだこの時には、ほんのポツリポツリと雨粒が落ちる程度でした。

New Jersey Transitのweb siteで予め往復のチケット(1人10ドル)を購入、プリントアウトし持参していました。10時54分のSecaucus行きの列車の出発まで、時間を持て余してしまいました。ジャイアンツや、まれにレッドスキンズのユニフォームを着た人がいますので、彼らの後について行けば間違いはありません。どのホームから出発するかの10分前のアナウンスを合図に列車に乗り込みます。

この列車は次のSecaucusが終点、つまりジャイアンツの試合のための運行の様です。SecaucusでMeadowlandsへの列車に乗り換えです。乗り換えの際に、自動改札機があり、チケットを通すか、バーコードを読み取らせます。ホームで待っていると、10分くらいで、列車が入ってきました。Meadowlandsまでに停まる駅はありません。遠くにメットライフスタジアムが見えてくると、皆写真を撮っていました。いったん離れるように大きくカーブして駅に着きます。地図で見ると、大分遠回りした線路を走るようです。雨は本降りになっていました。目の前がメットライフスタジアムです。

Met Life StadiumのChase Clubへ

巨大なスタジアムに着いて、入口のゲートでセキュリティーチェックを受けます。ボストンでの爆破事件以降、透明な袋以外のかばん類や傘などは持ち込み禁止です。折り畳みの傘も、横のコンテナボックスの荷物預かりに預けねばなりません。金属探知機での検査もあります。シーズン開始前にTicket Exchangeで買ったチケットを手に建物の中に向かいます。席はSection 215にあり、暖かい屋内のChase Clubを使うことが出来ます。軽食や飲み物のための席が結構な数ありました。まずはそこで、ホットドッグ、チーズステーキサンドとソフトドリンクで腹ごしらえです。チームグッズを扱う小さなショップもあり、マフラー、グローブ、カードを息子が自身のお土産に買い、雨対策に薄っぺらのビニールのポンチョを2つ買いました。

NY Giants 最終戦は勝利

すでに地区3位は確定し、対戦相手のレッドスキンズも地区4位が確定し当時のエースQB、RG3は温存したままで試合には登場しません。残念ながら消化試合です。この年のジャイアンツのRB陣はDavid WilsonやBrandon Jacobsが怪我をして、Andre Brownも故障が多くコマ不足でした。WR陣はHakeem Nicksの去就が取り沙汰され、Victor Cruzは故障、Rueben Randleも怪我とこれまた精彩を欠いていました。代役となったRBのPeyton Hillis、WRのJerrel Jerniganがこの試合では結果を出しましたが、両者とも2014年シーズンを最後に、チームを去りました。

本降りになった雨の中、スタンドの座席のところへ行ってみます。 両チームとも試合前の練習をしていました。スタンドの観客はまばらです。

練習を終え一旦引き揚げていた選手たちが再入場です。

アメリカです。国歌斉唱は欠かせません。

いよいよキックオフです。土砂降りの雨になっています。

前半はFGで先制されるも、Eli Manningから左奥へ走りこんだJerniganへTDパスが決まり、7-3と逆転です。

さらにJosh BrownのFGで点を加えるも、インターセプトされた攻撃をFGに結び付けられ10-6で前半を終了しました。

後半からはManningが退き、Curtis PainterがQBです。試合後の放送を見ると負傷退場だったようです。第3QにJerniganが今度は左サイドライン付近を駆け抜けTDで17-6。

第4QはBrownのFGで追加点をあげ、20-6。
その点数のまま、試合は終了となりました。

レッドスキンズQBのKirk Cousinsは左サイドのパスがことごとく左へ逸れ、パス成功も19/49と不調で、昨年、今年の活躍は全く想像できない位の悪い出来でした。

テレビでの観戦では分からなかったこと

実際にスタジアムで試合を見ると、テレビで見ていてはあまり気が付かなかった事が見えてきます。

テレビ放映のコマーシャルの時間分?試合が確実に止まります。パント後に攻撃権が替わる時、結構な時間をおきます。今回の様な、雨中の消化試合では、その時間がすごく長く感じました。

パンターの上手さ、下手さが実際の試合では良く分かります。パントの高さや飛んでいく方向、距離などはテレビではしっかりイメージできませんが、実際の試合ではパントを見るのが楽しくなります。この試合でのジャイアンツのSteve Weatherfordのパントは上手かったです。時代の流れで、今シーズンはWeatherfordもBrownも既にチームには居ません。

人工芝の緑がとても綺麗に見えます。日本の野球場の人工芝より目に映えます。

雨中で観客はわずかしかいませんでしたが、それでもクラウドノイズは喧しかったです。満員の観衆でのクラウドノイズを体験できなかったのが残念です。

客層は、ほとんどが白人です。我々も含めた有色人種はごく少数派です。しかも裕福層?の彼らはChase Clubの中でビール片手にモニターを見たり話をしたりと、のんびりと時間を過ごしているようで、雨の中、スタンドの座席で濡れながら試合をみたりしません。同じ日の地区優勝決定戦となったEaglesとCowboysの試合は観客数9万人とのことでしたが、この試合はその10分の1、いや20分の1も観客席にはいませんでした。