ネパールの碧い空 草の根の人々と生きる医師の記録 岩村昇著 講談社

ネパールの碧い空
草の根の人々と生きる医師の記録

岩村昇著
講談社
昭和50年7月10日 第1刷発行

1962年(昭和37年)1月から、結核の診療活動に従事するためにネパールに旅立った著者の、約14年間の活動が記されています。活動の拠点はポカラの南西に位置するタンセン市のユナイテッド・ミッション・タンセン病院です。当時のネパールの公衆衛生事情、結核のみならず天然痘やコレラ、赤痢などの状況、乳幼児死亡率や医師の数まで、当時のカースト制度の実際など、興味深いことが沢山記されています。第四章「私は便所を作ってまわった」では、コレラや赤痢などの伝染病流行の大きな要因となっていた「便所が無いということ」を改善しようとする「公衆衛生医」の苦悩が取り上げられています。