バックパッキングで旅行していた頃は、もちろん格安航空券でした。カウンターで指定されたエコノミーの後ろの方の席に文句も言わず座っていました。仕事で時に海外へ出かける様になると、United Airlinesの正規割引航空券を主に使うようになりました。座席も「非常口座席」を空港のカウンターでリクエストしてみる様になりました。足を伸ばして座る事が出来ること、それだけで至福でした。運良く?空いていれば、その席にassignしていただけました。その際には、緊急の場合は乗務員の英語に従い、脱出の介助ができるかどうかを常に確認されました。当たり前のことですので、それが航空業界の常識だと信じていました。理由は分かりませんが、意図してこれらの席がブロックされているのか、カウンターでassignしてくれない時も勿論ありました。その時は飛び立って暫くしてから、乗務員に席を移動して良いか尋ね、承諾をもらって移動したこともあります。これらはずいぶん昔の話です。今では、非常口座席も上級会員にしか割り振らないとか、追加料金の対象にしている航空会社もあるようです。
2006年にJALのLAX→KIX便に乗った時(その後この路線は廃止、最近また復活しました)、非常口座席に小さな子供連れの母親が座っていて驚きました。緊急の場合、乗客の脱出を手助けできる人のみが座るべき座席に、まだ小さな子供及びその母親を座らせないのは世界基準だと思っていましたので、帰国後JALに問い合わせをしてみました。木で鼻を括った様な回答があったのみでした。国土交通省が何も決めていないので、JALもそのような扱い、制限をしない、とのことでした。非常時の安全確保について社内でも議論されることはなかったのか、航空会社としての安全に対する姿勢に疑問を感じました。
年月が経て事情が変わるとJALもようやく2009年から対応する様になり、現在はJALのweb siteには以下の様に記されています。
国土交通省の通達により2009年4月1日から、お客さまの安全を確保するため、非常口座席には以下のすべての項目を満たすお客さまに限りご着席いただくこととなりました。(2008年7月3日通達発行、2009年4月1日施行)
当該通達に従いまして、非常口座席をご希望されるお客さまには以下の内容の確認をさせていただきます。ご協力をお願いいたします。
1.満15歳以上の方(15歳未満の方はご指定いただけません)
2.ご搭乗に際して付き添いの方や係員のお手伝いを必要としない方
3.航空機ドアの開閉等、緊急脱出の援助を実施することができる方
4.脱出手順の案内および乗務員の指示を理解し、他のお客さまへ口頭で伝えられる方
5.緊急脱出時に同伴者の援助をする必要がない方
6.緊急脱出の援助を実施することに同意する方迅速な脱出の援助をしていただくため、非常口座席に着席されるお客さまには、万一の場合、客室乗務員の指示のもと、緊急脱出時の援助をお願いいたします。
なお、当てはまらない項目がある場合、非常口座席の着席ができません。出発当日、空港、客室においても同様の確認をさせていただきますがご了承いただきますようよろしくお願いいたします。