上手く時間が作れず、しばらく頂くことが出来なかったのが、JR甲子園口駅近くの「ターメリック Turmeric」さんで供される、土曜日と日曜日のランチタイムのスペシャルダルバートです。仕事を終えて駆けつけ、何とか滑り込みで間に合いました。マトンカナでお願いしました。
この日のメニューは、中央にマトンカレーとパパドゥ、それを取り囲むように6時の位置のバート(ご飯)から時計回りに、ダル、茄子と大根のタルカリ、
ゴーヤとじゃが芋炒め、
チキンカレー炒め、野菜パコダ、オクラとじゃが芋の和え物、
茄子のアチャール(チャトニ)、
そしてデザートのスジハルワです。
食後のチヤもお願いしました。
どの一品も美味しいのですが、一番のお気に入りは、焼き茄子のアチャール(チャトニ)です。ついつい美味しいと唸ってしまうと、キランさんがお替りを持って来てくださいました。茄子は大根と一緒にタルカリとしても登場しています。茄子のアチャールを調べてみると、その表現する単語は Achaar ではなく Chokha がよく用いられています。THE NEPAL COOKBOOK (Association of Nepalis in the Amercas)でも
MASHED EGGPLANT PICKLEとしてレシピが紹介されていますが、Bhanta Ko Chokhaと表記されています。Chokha については、THE STEAMING POTの「Food Name in Bihar and What The Mean in Regular Hindi」の記事で、Mashed VegetablesをRegular Hindi NameではBharta、Bihar Hindi NameでChokhaと表現するとの記載がありました。ネパールに接するインドの Bihar ビハール州の Litti Chokha が有名なため、ネパールでもChokha が使われているのでしょうか。次の機会にでも尋ねてみましょう。The New Indian Expressの「Litti chokha, the delicacy from India」の記事では、そのLitti ChokhaのChokhaについては以下のように記載され、茄子、じゃが芋、トマト等が使われている様です。
For chokha, brinjals are roasted on fire before the skin is peeled off. This is then mixed with mashed potatoes and even charred tomatoes with a bit of mustard oil. Onions, green chillies and minimal spices complete the dish. As the vegetables are mostly boiled or roasted, the flavours remain intact, along with some smokiness introduced due to the process. The raw mustard oil also adds to the flavour.
ターメリックさんで頂ける美味しいネパール料理の数々は
→「ターメリック Turmeric(西宮市甲子園口)
ターメリック Turmeric
西宮市甲子園口2-24-28
https://twitter.com/turmericrest1
http://www.turmeric-kiran.co.jp/
今回はまずマトンタスセットをお願いしました。マトンタス Mutton Taas と、ムライ Murai (ブジャ Bhuja)、大根のアチャール Mula ko Achaar の組み合わせです。
キネマ(発酵豆)とグンドゥルック(発酵乾燥野菜)のカレー、Kinema ra Gundruk ko Jolも単品でお願いし、一緒に頂きます。
300円(税別)のシタン(単品)からは、マトントリッパの和え物です。トリッパ Bhundiとタン Jibhro とキノコ Cyau のサデコ Sadeko です。
まだまだお腹に入りそうですので、マトンチョイラセットも追加です。マトンチョイラ Mutton Choila、チウラChiura、大根のアチャールのセットです。
前回訪問時、お店のTwitterに登場したドクダミGande (Gandhe) のアチャールを是非頂きたい旨お話ししていたのを、キランさんは覚えて下さっており、用意がありますとの事でしたので供して頂きました。念願のGande ko Achaar は、ドクダミを茹でることにより、嫌みのない香りが活かされた、予想以上の美味しさでした。ダルバートの一品として、「薬草」のチャトニと書かれている時に、巡り合うことが出来るようです。(翌日のTwitterでは、「ドクダミ」のチャトニと記されていました。)
最後にハルワ Haluwa と
チヤを頂きました。
2種類のタルカリは、ブロッコリーとじゃが芋、
ゴーヤでした。
マトンは残念ながらドライタイプではありませんでした。
キランさんにお伺いすると、予定通りドライタイプに変えたところ、お客様の不評を買い、数日で元に戻したとの事です。ダルの美味しさを活かすには、ドライタイプのマスの方が良いと考える日本人は、私も含めきっと少数派なのかもしれません。ネパールで普段食べるような料理を是非食べて頂きたいと、一旦は中止しかけた平日のダルバートの提供を続けておられる、キランさんや、スタッフのミンさん、ラムさんの心中を察すると、胸が痛みます。
この日は他に、以前にお店のTwitterにアップされていたドクダミのアチャール Gandhe ko Achaar の話や、キランさんが不在だったカナメラの日にメニューには登場したものの頂けなかったダカニ Dhakani の話などを伺いました。ダカニの件の経緯は、バスマティライスで作ったところ、パサパサな食感の出来上がりとなったために、スタッフで協議し急遽提供を止めたのだそうです。日本米で作ると粘り気が出すぎ、丁度この時期に収穫されるネパール米が良いのだそうです。デザートとして食べるよりも、カジャの一品として食べることが多いとの事です。
今回のダカニには、レーズン、カシューナッツ、アーモンドを用い、ギーの香りが活きる様に香辛料は控えておられるとの事でした。チヤと一緒に頂きました。
セクワSekuwaとブザBhuja、グンドゥルックGundrukのセットが用意されており、まずお願いし、
アルタマAlu Taama を単品で頂きました。
ゴーヤとトマトのアチャールや、
アルチャットパテも頂きました。
デザートにダカニもお願いしましたが、上手く作れなかったので無く、キールなら有りますとの事でした。
チヤも頂いて帰りました。
最近は単品(シタン)ばかり頂いていましたので、久しぶりにカザセットをお願いし、麦焼酎と一緒に頂きました。コンパクトになったとは言え、チウラの周りを、12時の位置から時計回りに、じゃが芋サンデコ、ポークチョエラ、大根アチャール、ほうれん草サンデコ、マトンホルモン炒め、枝豆サンデコ、卵、鶏ホルモン炒め、が囲みます。
500円(税別)に設定された単品と言うよりもミニセットの中から、マスプジャも作っていただきました。
アルタマとはライスとのセットになっていますが、ライス無しでお願いしました。
パニプリはヨーグルトバージョンのダヒプリにして頂きました。
最後にハルワとチヤを頂きました。
まだ他のお客さんが来られていませんでしたので、店主キランさんがお店のTwitterに書かれていたバターチヤを頂き、チヤ談義となりました。
マス・チウラセットから始まった、500円(税別)設定のシタン、単品の組み合わせが好評の様です。今回はマス・プラウ Maas Pulau が初登場です。カシューナッツ、グリーンピース、人参、インゲン豆が入った野菜プラウと、マトンのドライカレーの組み合わせです。店主キランさんの仰るには、圧力釜で調理したため、思ったよりもっちりとした仕上がりになってしまったとの事でした。またプラウは、ネパールでは、カザなどと一緒によく食べるのだそうです。
チキン・チョイラとチウラのセットもお願いします。
チウラを頂く際に、汁物があれば申し分ありません。グンドゥルック・コ・ジョルを単品で一緒に頂きました。
通常のディナーメニューで頂くチキンチョイラ(下写真)は、辛さが楽しめますが、今回のカナメラバージョンは辛さ控えめの仕上がりです。
某常連様と同席させていただき、楽しいお話をしながらの食事となり、シェア出来るので、他の単品も存分に頂いていきます。鶏の砂肝のサデコや、
マトンホルモン炒め、
ジブロ・ブンディ・ブテコ、タンとトリッパの炒め物、
プリとアチャールのセットまで頂きます。
このセットにも汁物が付いています。
最後にハルワとチヤも頂きました。


マスMaasu・チウラChiuraセットが初回の鹿肉に続き、2回目の今回はマトンで登場です。ムラ・コ・アチャール付きです。
カザセット用にアルタマAlu Taama(じゃが芋と発酵筍のスープ)を用意されていましたので、単品でお願いしました。この2品の組み合わせだけでも十分です。少しずつチウラに混ぜながら頂くと、もう他に言うことはありません、満足です。
スペシャルメニューにマトンのパック Pakkuも有りました。お祭り、お祝いや、おもてなしの折にはよく作られるとの事で、メニューにも「ネパールの定番料理」と書かれていました。スパイスでマリネし3時間くらい味を沁み込ませ、水分などは一切加えず底の厚い鍋でゆっくりと調理したのだそうです。マトンの美味しさを堪能できる一品で、一気に頂いてしまいました。
ジブロ Jibhro(舌)とブンディBhundi(胃袋、トリッパ)のサデコもお願いしました。
もう一皿位は入りそうでしたので、マトンチョイラと迷いましたが、同じくジブロとブンディを炒め物で少しずつ盛って頂きました。
フェンネルがよく効いたマルプワMaalpuwaと、チヤも頂いて帰りました。
少し重複は有るものの、種類が異なる副菜、タルカリ、アチャールが満載で、少しずつ分け合うと2倍楽しめました。
ライスの替わりにチウラで頂くことは可能ですかとお伺いしてみた所、タイミング良く店主キランさんが戻ってこられ、おまけの形で付けて頂きました。ご近所のマダム達の意見を取り入れて、それまでの茹で卵から目玉焼きに変更してご飯に載せていますとのことでした。お皿もいつもの陶器製では無く、これまた各方面に好評だという金属製でした。



いつもチヤを追加で頂いて帰ります。
記念すべき第1回です、お客さんもまだ慣れていません。メニュー表の各料理には説明書きが加えられています。まずタリセットをお願いしました。
中央のpuffed rice等からなるJalmuri ジャルムリを囲んで、12時のカトリに入ったGhugni ググニ(豆カレー)から時計回りに、Alu Chokha アルチョカ(スパイスの効いたマッシュポテト)、Macha Tareko マチャタレコ(鯉のフライ)、 Chicken Chokha チキンチョカ(窯焼きチキンのマリネ)、Pakoda パコダ(オクラ、ブロッコリー、獅子唐、豆腐の天ぷら)、Kachoudi(Kachori)カチョリ(豆入り揚げパン)が並びます。デザートのミタイMithaiも一つ付いています。気分はインドです。タジマハルビールでスタートです。
パニプリの皮の中にヨーグルトの入った、ダヒプチュカ Dahi Puchka (Dahi Puri)をお願いし、
じゃが芋コロッケの上にスパイスの効いた甘酸っぱいソースがかかったティキチャット Alu Tikki Chatもお願いしました。
飲み物はネパールのククリラムではなく、インドウイスキーのマクダウェルMc Dowell’sをソーダ割で頂きます。
さらに興味は尽きず、豆入りケーキにヨーグルトソースのかかったダヒワラ Dahiwalaや
揚げパンとひよこ豆のカレープリタルカリ Puri Tarkariも追加です。
ラッシーもマサララッシーがメニューに載っています。
更にコリアンダーソースがアクセントの手羽元の揚げ物チキンパコダと、
タリセットにも1個入りがついていたデザートのミタイMithai(単品では2個入り)をもう一度頂くべくお願いしました。
楽しい企画を待ちきれずに開店直後に伺いましたが、お昼のダルバートの提供から時間を置かずに夜の準備と、とても大変そうでした。キランさんは厨房のミンさんとラムさんのお二人が頑張ってくれるから出来るのだと労われていました。先客が既にお二人おられ、一緒にお話をしながら料理の用意が出来るのを待ちました。この種類と質です、もう少し値段を上げた方が良いのではと意見は一致し、キランさんに進言申し上げました。
2人で伺う時はカザセットをお願いし追加で数品頂きますが、1人で伺いカザセットを頂いてしまうと、それだけでお腹が満たされ、他の料理まで頂けなくなってしまいます。最初からお目当ての単品ばかりお願いすることになります。この日は前回に続き、鹿肉のスクティSukutiを用意されていましたので、そのトマト煮をまずお願いしました。「前回は少し柔らかかったので、、、」との事で、今回は噛み締めて味わうタイプの仕上がりでした。
ホルモン系も外せませんのでマトンホルモン(トリッパとタン)のトマト煮も追加です。
サンデコも捨てがたく、とり砂ずりのサンデコもお願いします。
最後にもう一つのお目当て、鹿肉のマスチウラ(Maasu chiura)セットをお願いしました。ネパールのお店ですっと出てきそうな、シンプルなカザKhajaセットです。
こちらの鹿肉は柔らかめの仕上がりです。大根と人参のアチャールも付いており、おまけで大豆とピーナツのサデコも載せて頂きました。チウラと一緒に少しずつ混ぜながら頂くと、得も言われぬ満足感です。これにアルタマが付けば、言う事ありません。このスタイルのカザセット、今後も登場をお願いしましょう。最後にスジハルワとチヤを頂いて帰りました。
本来は単品は300円(税別)均一ですが、仕入れコストがかかる鹿肉はスペシャルメニューとして500円(税別)に設定されていました。お店にとっても無理のない良い方法と思いますので、美味しいものを特別価格でも供し続けて下さる様お願いしました。