阪急宝塚線池田駅前のネパール料理店「ネパールのごちそうズーズーダゥjujudhau」さんで、毎週末登場するスペシャルダルバートは、店主のカドカさんがネパールへ帰国中も、厨房の若いお二人、ジットさんとブッタさんが腕を揮われ、美味しくかつ興味が尽きない品々が登場します。
<1月第3週のスペシャルダルバート>
ダルと肉料理はムスロ・コ・ダルとローカル・ククラ・コ・マス(チキン)です。
タルカリはファルシイ・カロチャナ・コ・タルカリ、南瓜と雛豆でした。南瓜は甘い味付けかと想像しましたが、ホールのダニアの香りに富んだ、日本では思いつかない味付けに仕上がっていました。
小さなカトリのアチャールは左からガザル・カンクロ・ラ・ハリヨサノケラウ・コ・アチャール(人参と胡瓜、えんどう豆)、ピネコ・アドワ・ラ・ラスン・コ・アチャール(生姜・大蒜の磨り潰し)、ムラコチャナ・コ・アチャール(干し大根)でした。磨り潰した生姜と大蒜のアチャールは、潰さないものとは味わいが変わっていました。
バートの上にはカレジョ・ブテコ(肝のスパイシー炒め)が載り、左にはパシュパティパパドゥが揚げるのではなく、炙って供されます。右の定位置には青菜の炒め物サグもいつも通り控えます。
この日のデザートはサッカルダビマアナルラケコ(黒糖ヨーグルトと石榴)でした。
<1月第4週のスペシャルダルバート>
店主カドカさんがネパールで仕入れて来られた物が、早速登場した、この週のスペシャルダルバートです。ダルと肉料理は、マス・ラ・ムスロ・コ・ダルとククラ・コ・マス(チキン) でした。
タルカリが、アル・ラ・チャムスル・ラ・パルンゴサグ・コ・タルカリ(ジャガイモとチャムスル、ほうれん草)です。チャムスルを能勢の農家の方にお願いして栽培して貰おうと試みておられましたがなかなか上手く行かず、今回ネパールの物が登場です。
サグ青菜炒めはベテコサグ・サンデコで、これまたネパール野菜です。
下の写真、右のチャムスルはそのまま食べても香ばしく、様々な用途に使えそうです。左がベテコサグです。
バートの上のシッドラ・コ・サンデコ(小魚)、いつもは日本の煮干しですが、今回はネパール産です。お店のFacebookには、小魚売りの写真が載っています。
小さなカトリに並ぶアチャール3種は左からチャナカウリ・コ・アチャール(干しカリフラワー)、マショウラ・ラ・ゴルベラ・コ・アチャール(大豆ボールとトマト)、ポレコ・アル・アチャール(焼いたジャガイモ)です。ターリーの外のカトリは、おまけの大蒜の茎です。
干しカリフラワーはネパールのカドカ家特製とのことです。
デザートのクワも、今回はネパールの水牛の乳で作った、本格的ネパール仕様で、クワ作りの写真もお店のFacebookにアップされています。
お店で頂ける料理の数々は
→「jujudhau ズーズーダゥ(池田市)ネパールのごちそう」
山椒風味のチキン、ブテコ・ククラ・コ・マス(ティンムル・コ・スワドマ)のメインで始まりました。
タルカリはひよこ豆とじゃが芋のチャナ・ラ・アル・コ・タルカリです。中央の小さなカトリには左から胡麻、大蒜と生姜、大根のアチャール(ティル・コ・アチャール、ラスン・ラ・アドワ・コ・アチャール、ムラ・コ・アチャール)が入っています。

この日は、クワもダルバートの予約で頂けました。

小さなカトリに入ったアチャールは、左から小魚(マチャ・コアチャール)、池田産レモン(カガティ・コ・アチャール)、トマトと大豆(ゴルベラ・ラ・バトマス・コ・アチャール)です。
バート(ご飯)の左には炙ったパシュパティパパドゥ、右には青菜炒め(サグ・ブテコ)が定位置で控え、バートの上には豚の耳(スングル・コ・カン・ブテコ)が載っています。
この日のデザートは人参のハルワ(ガザル・コ・ハルワ)でした。
バートの上、クルクレ(Kurkure=軟骨)・コ・チョイラが載り
小さなカトリには左からカガティ(Kaagati)・コ・アャール、 マチャ・コ・アチャール、アル・アチャール、それぞれ檸檬、小魚、じゃが芋のアチャールが並び、右奥の大きなカトリには定番のアル・ラ・マショウラ・コ・タルカリ、大豆などから作った乾燥食材マショウラとじゃが芋の定番のおかずが盛り付けられています。
気温が下がり発酵が難しくなったと仰るヨーグルト、ズーズーダゥもデザートとして登場しました。
スパイシーXmasチキンと銘打った一品も添えられています。
写真左上のこの週のタルカリは、 ピダル(Pidaloo)・ラ・ハリヨピャーズ(Hariyopyaj)・コ・タルカリで、里芋と青葱を使った初登場ながらこの日のお薦めの一品です。小さなカトリには左からポレコ・アル・サンデコ、ゴルベラ・ラ・ダニヤ・コ・アチャール、ムラ・ガザル(Gaajar)・ラ・サノケラウ・コ・アチャールで、それぞれ、タンドールで炙ったじゃが芋、トマトとコリアンダー、大根と人参とエンドウ豆のアチャール3種が並びます。中央の白っぽいのが、オッカル(Okhar)・ラ・ダック・コ・アチャールで胡桃と干しブドウがヨーグルトベースのアチャールに仕上げられています。


この日はバトマス・ラ・グンドゥルック・ラ・アル・コ・タルカリ、大豆とグンドゥルック、じゃが芋がスープ仕立てで登場し秀逸の一品でした。
バートの上にはパングラ(Pangra)・ブテコ、砂肝がエシャロットと共に載せられています。
この日のデザートは固めの食感のアインティでした。

中央に小さなカトリが3つ並び、左からアル・サンデコ、ゴルベラ(Golbheda=トマト)・ダニヤ(Dhaniya=コリアンダー)・コ・アチャール、ティル(Til=胡麻)・コ・アチャールが入っています。バートの右横にサグ・ブテコが添えられています。

衆目を集めるのは、ブテコ・ビャックル(秋の味覚の零余子、むかご)の初登場です。バートの上に載っています。芋繋がりで、カルカラ(Karkalo=里芋の葉)・ラ・ピダル(Pidhaalu=山芋の茎)・コ・タルカリも供されています。バートの左右には、ブトン(もつ炒め)とサグが控えます。小さなカトリには左から、ムラ(Mula=大根)・ラ・カンクロ(Kaanklo=胡瓜)・サノケラウ(Saano kerau=えんどう豆)・コ・アチャール、ゴルベラ・ラ・プディナ(Pudina=ミント)・コ・アチャール、ポレコ・アル・アチャールと並んでいます。


もう一つの大きいカトリは アル・ラ・シミ・コ・タルカリ、じゃが芋とインゲン豆のおかずです。バートの傍らにブテコ・サグがいつものように添えられています。小さなカトリには、ムラ・ラ・ラスン(Lasoon)・コ・アチャール、大根とにんにくのアチャール、メワ(Mewa)・コ・アチャール、パパイヤのアチャール、ゴルベラ・マショウラ(Maseura)・コ・アチャール、大豆などから作った乾燥食材とトマトのアチャールと、3種のアチャールが入っていました。マショウラは平日のダルバートのタルカリで登場することが多く、アチャールバージョンを今回楽しめました。
この週のデザートは安納芋のハルワでした。
大きなカトリのもう一つは、アル・ラ・マショウラ・コ・タルカリ、このお店の定番のおかずです。何時もの場所にサグが控えています。小さなカトリには左からムラ・コ・アチャール、大根のアチャール、ラスン・アドワ(Aduwa)・コ・アチャール、にんにくと生姜のアチャール、ゴルベラ・ダニヤ・コ・アチャール、トマトとパクチーのアチャールと、3種のアチャールが並びます。
バートの上には、この日はチョイラが載っているはずですが、どうやら忘れられた様です。この記事を書いていて初めて気が付きました。デザートはジュレビィ(Jilphi、syrup-filled loops)でした。
お店で頂ける料理の数々は
ディロセットの登場です。
ディロは確かに腹持ちが良さそうです。ネパールでじゃが芋の有名な産地はランタンとのことです。折角の機会ですので、手食で頂きました。
トマトベースのゴルベラコアチャールに大豆バトマスを浮かべるように盛り付けられています。グルンのスタッフには馴染みがあっても、チェトリの店主カドカさんにとっても初めてとの事でした。
ハルワベット柿もネパールではよく食べるが、日本の柿の方が美味しいとのことです。

登場したカザセットです。店主カドカさんは「サマエバジです」と言って持ってこられました。
中央のチウラを、ネパール産の豆、サグ、マチャコアチャール、キュウリと人参と豆の和え物、チキンチョイラ、アルジラ、バトマスサンデコ、ムラコアチャール、バーラ、卵、マトンカレーの11品、パパドも入れると12品が取り囲む豪華版です。チウラの上にはポン菓子のようなBhujya、豆の粉を細く伸ばしたもの(店主はダルマットと言われました)も載っています。これらも別に数えれば全15品です。ネパールであればチャンを頂くのでしょうが、ククリラムも追加です。
骨付きマトンカレーが入った器は通常のダルバートに使う器ではなく、お祝いの時などに使うものだそうで、細かいところまで配慮されています。
今回は、このメインのお皿に、ナンとズーズーダゥ、飲み物が付いたセットになっています。
ズーズーダゥの上にはネパールの国旗が載っていました。日本の気候に合ったズーズーダゥの作り方を確立された様です。店主の計らいで、ナンの代わりにロティを頂きました。
最後にチヤを頂いて、この上ない満足感でお店を後にしました。
今回の企画は店主カドカさんが以前から秘めておられ、ネパールの信頼できる所から食材が届くのを待って、満を持して実現されました。チウラ一つをとっても、ネパールのものと、インドから輸入したものでは品質が大きく異なること、作り方も違うこと等の話を何度かお聞きしていました。少し前に、今回供されるチウラとダルマットの試食もさせていただきました。
輸入食材は賞味期限がはっきりしないものまであり、信頼できるものしか使いたくないというこだわりが伝わってきます。バトマスサンデコの豆もネパール産を使うつもりだったとのことですが、炒るとどうしても日本人向けには硬すぎたとのことです。どうしたらよいか大豆を専門に扱っている方に聞いて良い方法を教わったと仰られていました。その甲斐あって、とても香ばしい一品に仕上がっていました。他の副菜も様々なこだわりが伝わってくるような品々でした。
各料理を自分でお皿に盛りつけ、ソフトドリンク付きでしたのでラッシーをお願いしました。
ナンはお願いしてから焼いていただけます。2人でしたのでプレーン、チーズと2種類いただきました。
追加でビールとククリラムを飲んでいると、そのおつまみに、バラ、ムラコアチャール、マチャコアチャール、サグ、トマトの一皿も持ってきていただきました。
念願のズーズーダゥも冷蔵庫に取り置きしていただいていた様です。
数ヶ月前には、ネパールと日本では様々な条件が異なるのか、なかなか上手く作れないと嘆いておられたズーズーダゥですが、この機会に満を持しての登場となった様です。今までに食べたことのあるヨーグルトとは明らかに何かが違います。美味しいの一言でした。店主の故郷のバクタプルの名物ですが、現地でどのお店へ行ったら良いのかも教わりました。
他のお客さんたちが帰られた後は店主とお喋りタイムです。能勢の農家の方にお願いしてネパール野菜を作ってもらうようになったとのことですが、ネパールと違って土が栄養に富んでいるので成長がとても早いとのことです。ネパールのにんにくは入口近くにさりげなく置かれ、
調理すると美味しいチャムスルは料理の台に飾られていました。
これらの野菜も使った、3年目のズーズーダゥさんの新しいメニューに期待です。
<追記>最近は、ダルバートも趣向を凝らしたスペシャルバージョンを毎週のように供されるようになりました。頂ける美味しい料理の数々は
問題?のマトンと筍、ひよこ豆のカレーはスープタイプです。
何時も揺るぎない美味しいダルです。
途中で店主が外から帰ってこられましたので、お喋りタイムとなりました。どうやらスクティを店内で作ろうとし、窯の上に吊るしてみたものの不具合が生じて断念したとのことです。筍が手に入ったとのことで、アルタマにスクティを入れると美味しいので、それを作りたかった様です。その路線そのままで、少し酸味と辛みの混じった筍入り、マトンカレーが出来た次第と推察されます。また今後、農家の方にお願いしていろいろな野菜を手に入れることが出来るようになるので、いろいろな料理を味わっていただきたいと仰られていました。ニンニクの茎と葉はチョエラに入れるとシャキシャキとした食感が良く、菜の花はグンドゥルックにしたら繊維が細く美味しいのだとか教えていただきました。是非実現するのを心待ちにしています。