阪急宝塚線池田駅前のネパール料理店「ネパールのごちそうズーズーダゥjujudhau」さんで毎週末供される趣向を凝らしたスペシャルダルバートに、ネパールの野菜、チャムスルとベテコサグが登場しました。
日本語で何と言うのかなど、この二つの野菜について少し調べてみました。
チャムスル Chamsoor ko Saag
チャムスルChamsoor ko Saag、Chamsurは英語名がGarden Cressとなり、それを日本語に訳すとコショウソウ(胡椒草、学名はLepidium sativum)だそうです。アブラナ科の1年草とのことです。Jyothi Pathakさんの「Taste of Nepal」と題するweb siteには
Chamsoor ko Saag – चम्सूर को साग – (Garden Cress, Pepper Grass) – Bot. name: Lepidium L., Family: Cruciferae – Low growing winter annual grown in Kathmandu valley and other hills as one of the most important green vegetable.
と紹介されています。また、ほうれん草など他の野菜と一緒に調理すると良いとも記されています。
Chamsoor-Paalungo (Spinach with Garden Cress) is a favorite combination in Nepal, where a mild-flavored spinach is cooked with the peppery pungent-flavored garden cress. Garden cress (chamsoor) has long tender stems, pointed narrow leaves, and a spicy aroma. The cress can be cooked by itself, like a common green, but tastes best when combined with other greens.
Jyothi Pathakさんの同名の著書「Taste of Nepal」にはChamsoor-Paalungo Tarkaari SPINACH WITH GARDEN CRESS のレシピも掲載されています。その前文にほぼ同じ内容の説明があります。
べテコサグ Bethe ko Saag
前述の「Taste of Nepal」にはBethe ko Saagについても記述があります。
Bethe ko Saag – बेथे को साग – Com name: Lamb’s Quarter, Bot: name Chenopodium album L., Family Chenopodiaceae – The young leaves and tender shoots are cooked and eaten as a leaf vegetable.
Lamb’s Quarterの日本語訳はシロザになります。栽培される野菜ではなく、いわゆる野草の部類の様です。アカザ科アカザ属とのことで、ペルー料理等に使われるキヌアも同属です。
onlinekhabar english editionのRavi Man Singhさんの記事「 Bethe ko sag: Love it or curse it, it’s a wild weedy wonder」にも詳しい説明があります。
I could hardly believe the green leafy vegetable curry I had for lunch was, in fact, a weed, bought from the local market though.
The taste was closely similar to the commercially grown spinach (palungo), but with an earthy, sharper, piquant savour—and more succulent, hands down. I fell for it.
Yes, it is regarded as a weed, grows wildly (except for a few countries where it is cultivated) virtually all around the world—but curiously eaten, too.
And what’s more, it goes by a slew of names, some utterly ludicrous such as, lamb’s quarters, fat hen, goosefoot, Missouri lambs quarters, Stevens’ lamb’s quarters, late flowering goosefoot, white goosefoot, melde, Antigua hay grass, bacon weed, blueweed, pigweed and more commonly wild spinach.
In Nepal, it is called bethe ko sag and in India bathua saag. The botanic name for this weed is Chenopodium Album, a perennial annual herbaceous plant. The binomial name in Greek interprets as, Cheno (goose) footed, podas (plant). Album stands for the white powdery bloom.
ズーズーダゥ店主、カドカさんのお話でも、畑の耕作物の間に勝手に生えてきたものを摘み取るのだそうで、野草、雑草の類なのでしょうが、カトマンズではしっかり売られているとのことです。
Native Americanも古くは食用にしており、彼らに慢性疾患が増加してきている事と食習慣の変化を関連性を探る根拠の一つとしての詳細な成分分析がLamb’s Quarterにも行われ、ほうれん草との比較が詳細に記述された論文もあります。Katherine M. Phillips et. al. Nutrient composition of selected traditional United States Northern Plains Native American plant foods. Journal of Food Composition and Analysis 34 (2014) 136-152
チャムスルとベテコサグが入った美味しいスペシャルダルバートは
→「アルラチャムスルラパルンゴサグコタルカリ@ネパールのごちそうズーズーダゥjujudau(池田市)」











デザートのクワも、今回はネパールの水牛の乳で作った、本格的ネパール仕様で、クワ作りの写真もお店のFacebookにアップされています。
山椒風味のチキン、ブテコ・ククラ・コ・マス(ティンムル・コ・スワドマ)のメインで始まりました。
タルカリはひよこ豆とじゃが芋のチャナ・ラ・アル・コ・タルカリです。中央の小さなカトリには左から胡麻、大蒜と生姜、大根のアチャール(ティル・コ・アチャール、ラスン・ラ・アドワ・コ・アチャール、ムラ・コ・アチャール)が入っています。

この日は、クワもダルバートの予約で頂けました。

小さなカトリに入ったアチャールは、左から小魚(マチャ・コアチャール)、池田産レモン(カガティ・コ・アチャール)、トマトと大豆(ゴルベラ・ラ・バトマス・コ・アチャール)です。
バート(ご飯)の左には炙ったパシュパティパパドゥ、右には青菜炒め(サグ・ブテコ)が定位置で控え、バートの上には豚の耳(スングル・コ・カン・ブテコ)が載っています。
この日のデザートは人参のハルワ(ガザル・コ・ハルワ)でした。
バートの上、クルクレ(Kurkure=軟骨)・コ・チョイラが載り
小さなカトリには左からカガティ(Kaagati)・コ・アャール、 マチャ・コ・アチャール、アル・アチャール、それぞれ檸檬、小魚、じゃが芋のアチャールが並び、右奥の大きなカトリには定番のアル・ラ・マショウラ・コ・タルカリ、大豆などから作った乾燥食材マショウラとじゃが芋の定番のおかずが盛り付けられています。
気温が下がり発酵が難しくなったと仰るヨーグルト、ズーズーダゥもデザートとして登場しました。
スパイシーXmasチキンと銘打った一品も添えられています。
写真左上のこの週のタルカリは、 ピダル(Pidaloo)・ラ・ハリヨピャーズ(Hariyopyaj)・コ・タルカリで、里芋と青葱を使った初登場ながらこの日のお薦めの一品です。小さなカトリには左からポレコ・アル・サンデコ、ゴルベラ・ラ・ダニヤ・コ・アチャール、ムラ・ガザル(Gaajar)・ラ・サノケラウ・コ・アチャールで、それぞれ、タンドールで炙ったじゃが芋、トマトとコリアンダー、大根と人参とエンドウ豆のアチャール3種が並びます。中央の白っぽいのが、オッカル(Okhar)・ラ・ダック・コ・アチャールで胡桃と干しブドウがヨーグルトベースのアチャールに仕上げられています。


この日はバトマス・ラ・グンドゥルック・ラ・アル・コ・タルカリ、大豆とグンドゥルック、じゃが芋がスープ仕立てで登場し秀逸の一品でした。
バートの上にはパングラ(Pangra)・ブテコ、砂肝がエシャロットと共に載せられています。
この日のデザートは固めの食感のアインティでした。

中央に小さなカトリが3つ並び、左からアル・サンデコ、ゴルベラ(Golbheda=トマト)・ダニヤ(Dhaniya=コリアンダー)・コ・アチャール、ティル(Til=胡麻)・コ・アチャールが入っています。バートの右横にサグ・ブテコが添えられています。

衆目を集めるのは、ブテコ・ビャックル(秋の味覚の零余子、むかご)の初登場です。バートの上に載っています。芋繋がりで、カルカラ(Karkalo=里芋の葉)・ラ・ピダル(Pidhaalu=山芋の茎)・コ・タルカリも供されています。バートの左右には、ブトン(もつ炒め)とサグが控えます。小さなカトリには左から、ムラ(Mula=大根)・ラ・カンクロ(Kaanklo=胡瓜)・サノケラウ(Saano kerau=えんどう豆)・コ・アチャール、ゴルベラ・ラ・プディナ(Pudina=ミント)・コ・アチャール、ポレコ・アル・アチャールと並んでいます。


もう一つの大きいカトリは アル・ラ・シミ・コ・タルカリ、じゃが芋とインゲン豆のおかずです。バートの傍らにブテコ・サグがいつものように添えられています。小さなカトリには、ムラ・ラ・ラスン(Lasoon)・コ・アチャール、大根とにんにくのアチャール、メワ(Mewa)・コ・アチャール、パパイヤのアチャール、ゴルベラ・マショウラ(Maseura)・コ・アチャール、大豆などから作った乾燥食材とトマトのアチャールと、3種のアチャールが入っていました。マショウラは平日のダルバートのタルカリで登場することが多く、アチャールバージョンを今回楽しめました。
この週のデザートは安納芋のハルワでした。
大きなカトリのもう一つは、アル・ラ・マショウラ・コ・タルカリ、このお店の定番のおかずです。何時もの場所にサグが控えています。小さなカトリには左からムラ・コ・アチャール、大根のアチャール、ラスン・アドワ(Aduwa)・コ・アチャール、にんにくと生姜のアチャール、ゴルベラ・ダニヤ・コ・アチャール、トマトとパクチーのアチャールと、3種のアチャールが並びます。
バートの上には、この日はチョイラが載っているはずですが、どうやら忘れられた様です。この記事を書いていて初めて気が付きました。デザートはジュレビィ(Jilphi、syrup-filled loops)でした。
お店で頂ける料理の数々は
ディロセットの登場です。
ディロは確かに腹持ちが良さそうです。ネパールでじゃが芋の有名な産地はランタンとのことです。折角の機会ですので、手食で頂きました。
トマトベースのゴルベラコアチャールに大豆バトマスを浮かべるように盛り付けられています。グルンのスタッフには馴染みがあっても、チェトリの店主カドカさんにとっても初めてとの事でした。
ハルワベット柿もネパールではよく食べるが、日本の柿の方が美味しいとのことです。
まず目を引くのがアル、カウリ・コ・タルカリで
アル・コ・アチャールかと思えば、タンドールで香ばしく焼き目をつけたアル・サンデコであったり、初登場のムラ、ダニヤ・コ・アチャールも味わえました。
お決まりのヨーグルトズーズーダゥも美味しく仕上がっています。
店主のカドカさんではなく奥様がお店に居られ、味付けやスパイスのお話をしていたところ、お店で使うジーラの匂いを嗅がせていただきました。
11月10日から12日までの第3回はグルン族のダルバートで、特筆すべきはジャガイモのディロで、熱々の出来立てを食べて頂きたいので予約の上来店くださいとのことです。しっかり予約しました。
バートの上にはマトンシェクワ(セクワ)が載っています。
いつも美味しいアチャール3種です。小魚はいつもと味付けが異なっています。
デザートはこれまた定番となったお店の名前にも冠せられたズーズーダゥ。
ホットチヤも頂きます。
ハロウィンが近いのでとクッキーも出して頂きました。
11月3日から5日までは第2弾、「チェトリ」のお母さん、アマのダルバートが供されます。

何時もは日本米のバートも、今回初めてバスマティライスと日本米のブレンドで供されています。ギーを入れて炊くと美味しくなるそうですが、乳製品アレルギーの方やビーガンの方に配慮して行っていないとのことです。チョイラも初めてトッピングされています。
マトンも今回のために数店共同で仕入れ、皮付きのプリプリなものも提供できる様です。
タルカリは一度タンドールで焼いて香り付けしたカリフラワーを用いた一品です。
トマトのアチャール、ゴルベラコアチャールも初登場で、その美味しさに作り方を聞いてしまいました。ご主人としては、甘めのトマトを使ったので、思ったより甘めの仕上がりになってしまったらしいのですが、お代わりしたくなりました。両サイドにはムラコアチャール、アルコアチャールもあります。
ダルもいつもよりさらに濃厚な仕上がりになっていました。
パパドゥは香ばしくなる様に、揚げたものではなく焼いて添えられています。もちろんサグも忘れず添えられています。
最後にチヤも頂きました。
日本の喪に服す習慣と同じで、お店では、今年は、ダサイン、ティハールのお祝いはなさらないそうです。facebookでのこのスペシャルダルバートの告知にも、それらの文言を敢えて入れておられない様です。