ヨマリ、フィニ、ラッドゥ @ パリワール Pariwar(生駒市)

生駒市のネパール料理店「パリワール Pariwar」さんが、開店5周年を迎えられました。この日は、ダルバートに追加の形で、ネパールのお祖父さん、お祖母さんが作ってくれるようなお菓子が用意されました。ダルバートはベジでお願いし、野菜をしっかり頂きました。青唐辛子とグリーンハバロニを添えて頂きました。お菓子セットは、画面左のヨマリ Yomari、平たいフィニ Fini (Fhini)、丸いものは手前が胡麻のラッドウ Laddu、奥が米粉のラッドゥです。

ヨマリは、ネパールの米粉と日本の米粉の違いで、包むときの勝手が違い難しかったと仰られていました。ESC NEPAL の「Festive Delicacies」の記事で、

Yomari: Favorite Newari Delicacy

Newars are very fond of ‘yomari’. It is so popular among them that even men in the family take great interest in its preparation; an odd twist in the tradition where food is no man’s business. Every year after the paddy is harvested in November, Newari families gear up for yomari punhi, which can be loosely translated as ‘moon bread’ from yo (to like) plus mari (bread) combined with the Newari term for the full moon: punhi.

と書かれているように、本来は、秋の収穫の後の満月のお祭りヨマリ・プニに食されるようです。

フィニは小麦粉と米粉を層状になるようにサクサクに揚げたもので、ここまで大きく作るのはネパールでもあまりないとのことです。Boss Nepalの「Sweet Phini」の記事では、ティハールのお祭りの際や、義理の娘への贈り物として作られると記されています。

Phini is a sweet especially made during the festival of Tihar, or also as koseli (food gifts) to the daughter’s in-laws. It is made especially by the people of Newar community and is a popular sweet made during Tihar to offer it to goddess Laxmi, goddess of wealth.

ラッドゥは胡麻と、米粉と2種類用意されていましたが、特に米粉の方は固めの仕上がりでした。炊いたお米を一旦粉にして、それを炒り続けるのだそうで、見た目以上に手間がかかるそうです。Boss Nepalの「Til ko Laddu」の記事には、1月中旬のマーグ月1日の、マーグ・サンクランティのお祭りの際によく食べられるとあります。同日は山芋を食べる日でもあります。

One of the most essential sweets required during the festival of Maghe Sangrati that falls on the first day of Nepali month of Magh, Til ko laddu (sesame sweet balls) are tasty as well as healthy food item. These are also used for the worship on this day and early in the morning on that day, til ko laddu is eaten. 

左が梅と山桃の酵素入りラッシー、右が山桃の酵素入りラッシーです。前回訪店時の発酵半ばの状態から目をつけていたお陰で、飲み比べをさせて頂きました。

パリワールさんで頂ける美味しい料理の数々は
→「パリワール Pariwar(生駒市)」

PARIWAR パリワール

生駒市小明町155-4
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大根と山桃のアチャール @ ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ(池田市)

池田市の「ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ」さんで供される、週末のスペシャルダルバートのマス、ダル、タルカリ、アチャールには、一品毎に、カドカさんとジットさんの細かい配慮と工夫が隠されています。マスは、ククラ・コ・マス Kukhura ko Maas です。ハリヨ・ラスン Hariyo Lasun(大蒜の葉)をよく用いられていますが、この日は鶏肉が骨付きということで骨無しの時との味の違いを楽しめます。ダルは、使う豆の組み合わせが毎回変わります。マス Mas、ラハル Rahar、ムスロ Musuro、チャナ Chana、ガハット Gahat と5種類揃い踏みで、チョウリ Chauri のギー Gheu も加わり、豆の甘みが楽しめるダルに仕上がっています。タルカリは、新じゃが、小松菜、大根です。じゃが芋は皮つきを用いられ、ダルが甘い分、少し辛めの味付けです。小松菜はネパールにも有るのでしょうか、近いものは、Rayo ko Saagでしょうか。アチャールの一つ目は、大根と山桃のアチャール Mula ra Kafal ko Achaar です。発酵を進めた大根のアチャールは、その深い味わいに魅了されますが、この日は、山桃の酸味を活かすために、酸味を控えた発酵の浅い大根を組み合わせておられます。二つ目のパイナップル Bhuin Katahar ブイ・カタハールのアチャールは、以前にも登場のネパールの茶胡麻 Khairo Til カイロ・ティルが味を引き締めています。他の胡麻には無い茶胡麻の粘り気が、フルーツのみずみずしさと絡み合っています。三つ目のトマト Golbheda のアチャール、毎回味が変わりますが、今回は目を細かく下拵えすることによって、トマトの甘みが十分引き出されています。バート(ご飯)の上には、オクラ Ramtoriyaと玉葱 Pyaaj のスパイス炒めが載っています。パパドゥと青菜炒め(小松菜)が定位置に控え、前日の宴で余った、猪 Bandel のブトゥワBhutuwa もダルバートと一緒に頂きました。デザートは、蕎麦 Phaparとシコクビエ(四石稗)Kodo を使ったプワ Puwa でした。ネパールでは6月29日がAsar Pandra、田植えをお祝いしダヒチウラ Dahi Chiuraを頂く日で、National Rice Dayでもあります。このプワは田植え時期の田圃をイメージして盛り付けられています。茶色が土、緑が苗、白色のカシューナッツは虫をイメージとのことです。ギー Gheu やレーズン Kismis も使われている様で、知らずに食べたら、蕎麦と四石稗から作られていると分かりません。シコクビエ Kodo (finger millet) のプワは検索してもなかなか見つからず、米粉のプワについてBoss Nepalの「Rice Puwa」の記事に書かれていました。

One of the popular snacks in western Nepal, especially in Dang, Rice Puwa is many people’s favorite as it is tasty, healthy and also satisfies hunger. Made with rice grains, Rice Puwa can also be eaten as an alternative to rice as it is similar to rice in terms of gratifying hunger.

In most of the other cultures and places, Puwa is usually made with Suji or Semolina. It is also heavy due to the rice it contains so it is used more as a snack, afternoon snack or as an alternative for dinner, together with a fried vegetable or curry or pickles. The process of making Puwa is easy and comparatively fast and also not much ingredients are required for making Puwas.

唯一、「Beyond the Biophysical: Knowledge, Culture, and Power in Agriculture and Natural Resource Management.  German Laura, Ramisch Joshua J., Verma Ritu (Eds.)」の中の、Chapter 4 「Beyond Biodiversity: Culture in Agricultural Biodiversity Conservation in the Himalayan Foothills. Laxmi P. Pant and Joshua J. Ramisch」で、民族の違いによる農作物、穀物の使い方の差異が記述されています。finger millet の在来種の5種類 (Samdhi kodo、Jhyape、Lapre、Kalo dalle 、Seto dalle) のうち、Samdhi kodo (Juwai kodo) のみが、対象の2民族でロティroti やプワ puwa に使われており、1つの民族では Jhyape が、他方の民族では Lapre がディロ dhindo に使われるとのことです。後者の民族は、Lapre の他に Kalo dalle と Seto dalle をロキシー Raksi 作りに使い、5種全部を jand (beer) (チャン Chang) 作りにも使うと記されています。

最後にチヤも頂きました。

お店で頂ける料理の数々は
→「jujudhau ズーズーダゥ(池田市)ネパールのごちそう」

ネパールのごちそう
jujudhau
ズーズーダゥ

池田市室町1-3
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山桃と梅のアチャール @ パリワール Pariwar (生駒市)

お店のFacebookで、山桃と無農薬の梅をそれぞれアチャールにした旨告知されていましたので、早速生駒市のネパール料理店「パリワール Pariwar」さんに伺いました。ベジのダルバートでお願いしました。お目当ての梅のアチャールは辛甘さが、山桃のアチャールは酸味が活かされた味に仕上がっていました。ミントのアチャールも並んでいます。ダルやバート、他の野菜と一緒に美味しく頂きました。食後に、畑から採ってきたマクワウリ(真桑瓜)が有りますとお声がかかり、是非にとお願いしました。子供の頃よく食べていたという話で盛り上がり、しばらくマクワウリ談義となりました。農林水産省のweb site 、「マクワウリとはどのような野菜ですか」からマクワウリの説明を引用してみました。

マクワウリはウリ科キュウリ属の一年生草本です。東アジアで発達した東洋系のメロンの仲間で、日本へは2000 年以上前に中国や朝鮮半島から伝来したとされます。「古事記」や「万葉集」にも記載があり、古くは‘ウリ’といえばマクワウリのことを指し、カラウリ、アジウリとも呼ばれていました。
マクワウリの名前は美濃国真桑村(現、岐阜県本巣市)が特産地と知られたことによります。果形は丸形から円筒形、俵形、扁円形などさまざまで、重さは300 グラムから1キロ程度です。果皮の色は白、黄、緑で、多様な溝や斑紋があります。
肉質はサクサクとした歯ざわりのものから柔らかいものまであり、西洋系のメロンに比べ甘さ、香りは多くないですが、さわやかな風味があります。
かつては銀マクワ、甘露、梨瓜、悠紀、黄金、成歓など多くの地域で独特の品種が生産されていました。しかし、1950 年代に入ってマクワウリとヨーロッパ・カンタロープとの一代雑種品種プリンスが普及し、さらに多くのハウス・メロンと呼ばれるものがこれに続いて育成されましたが、その後生産が減少して、現在では、地域的にわずかに生産されているだけのようです。

7月2日からの新しいメニューも出来上がっていました。

パリワールさんで頂ける美味しい料理の数々は
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山桃のアチャール Kafal ko Achaar @ ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ(池田市)

季節の食材を使った池田市の「ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ」さんのスペシャルダルバート、今週は山桃が登場しました。お店のFacebookで

『カ〜ファル パキョ〜カ〜ファル パキョ〜
素敵な黒い鳥のさえずりです♡
ネパールでは春の稲刈りが終わる頃…
真っ赤な山桃が籠いっぱいに
『山桃が熟れたよ山桃が熟れたよ〜』と♡

と、ネパールの山桃と鳥の鳴き声の紹介をされていました。Boss Nepalの「Kafal berry」の記事で、その鳥の鳴き声と山桃売りの掛け声の詳細な記述があり、

The red colored berry that grows in the central Himalayas, mostly in Nepal, India and some parts of China, Kafal has been able to lure most of the people who have tried this once. In the streets of Kathmandu, we can hear the street vendor shouting and notifying people about the arrival of kafal in his deep and loud voice crying ‘Kafal aayo’ (Kafal has come). Within few minutes, he is surrounded by a group of children and grownups interested in buying the kafals he has brought carrying in a woven bamboo basket.

”kafal pakyo kafal pyako (berry is ripe)”「山桃が熟れたよ」の鳴き声にまつわる、物悲しい言い伝えも記されています。

A Nepali Barbet sings ‘kafal pakyo kafal pyako’ (berry is ripe) towards the end of spring when the berry ripens. According to the legends and stories, this song addresses a sentimental tale of brother and sister who lived in the mountains long ago. The brother goes away to join the army leaving his sister along and before he leaves, he makes a promise to his sister that he would return every year if she sends him a message during the season when the kafal fruit ripens. He, however, gets killed in a battle and never returns. The sister still sends her message every year at the time when the berry ripens with the hope of her brother returning until her time of demise. It is said that she returned as a Barbet in her next life and continued sending the same message which we today hear the Nepali Barbet singing.

Also another tale connects Barbet and Koili bird together saying that when Barbet went in search of her brother, the cuckoo heard it and responded with ‘koho’ (who is it?). There are many forms in which the story is depicted and although the tales vary from one locality to another, the craze and wait for the kafal fruit stays the same.

その山桃はアチャール、カファル・コ・アチャールとして、またチャトニーとして登場です。同じ山桃を Achaar に仕上げるだけでなく、火の通し加減や香辛料を変えてもう一品も仕上げ、食べ比べをさせて下さるという、カドカさんとジットさんの芸の細かさに脱帽です。アチャールとチャトニという言葉をどう使い分けておられるのかも尋ねました。どうやら、よりよく火を通して保存のきく品に仕上げたのがチャトニの様です。もう一つのアチャールは、荏胡麻のピセ・コ・シラム・コ・アチャールです。荏胡麻もお馴染みになってきましたが、前回登場時とは別の味わいです。マスはククラ・コ・マス、ダルはマス・ラ・ラハル・コ・ダルです。タルカリは、ひよこ豆とじゃが芋のチャナ・ラ・アル・コ・タルカリで、いつも乍ら優しい豆と芋の味を楽しめます。バートの上には、木耳(きくらげ) Thalthaley chyauと獅子唐の、タルタレ・チャウ・ラ・ハリヨ・クルサニ・コ・サデコが載っています。

素朴な疑問がまた湧いてきます。木耳(きくらげ)はネパールでよく食べられているのでしょうか。M.K. Adhikari et al.  Ethnomycolgical Knowledge on Uses of Wild Mushrooms in Western and Central Nepal.  Our Nature (2005) 3:13-19には、民族(カースト)によってはキノコは食べないと書かれています。

A notable difference between the tribes on uses of mushrooms was observed.  The Brahmins especially elder ones do not eat mushrooms

しかも木耳 Auricularia auricula-judae はあまり美味しくないと見做されていた様です。

Auricularia auricula-judae, (略)were considered not so tasty or good for edible purpose.

カドカさんが仰るには、キノコも今はネパールでも結構食べるとのことです。木耳は中華料理の食材としても使われるでしょうから、タメル地区のチャイナタウン化を見ると、既に浸透していそうな気もします。

定位置にパパドゥとサグ・ブテコも添えられています。丁度、ゴルベラ・コ・アチャールとアル・コ・アチャールが出来たてで、小さなカトリに入れて味見用に添えて頂きました。デザートのズーズーダゥも、山桃バージョンです。ピカ・チヤを最後に頂きました。

お店で頂ける料理の数々は
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茄子のアチャールとタルカリ @ ターメリック Turmeric(西宮市甲子園口)

上手く時間が作れず、しばらく頂くことが出来なかったのが、JR甲子園口駅近くの「ターメリック Turmeric」さんで供される、土曜日と日曜日のランチタイムのスペシャルダルバートです。仕事を終えて駆けつけ、何とか滑り込みで間に合いました。マトンカナでお願いしました。この日のメニューは、中央にマトンカレーとパパドゥ、それを取り囲むように6時の位置のバート(ご飯)から時計回りに、ダル、茄子と大根のタルカリ、ゴーヤとじゃが芋炒め、チキンカレー炒め、野菜パコダ、オクラとじゃが芋の和え物、茄子のアチャール(チャトニ)、そしてデザートのスジハルワです。
食後のチヤもお願いしました。

どの一品も美味しいのですが、一番のお気に入りは、焼き茄子のアチャール(チャトニ)です。ついつい美味しいと唸ってしまうと、キランさんがお替りを持って来てくださいました。茄子は大根と一緒にタルカリとしても登場しています。茄子のアチャールを調べてみると、その表現する単語は Achaar ではなく Chokha がよく用いられています。THE NEPAL COOKBOOK (Association of Nepalis in the Amercas)でもMASHED EGGPLANT PICKLEとしてレシピが紹介されていますが、Bhanta Ko Chokhaと表記されています。Chokha については、THE STEAMING POTの「Food Name in Bihar and What The Mean in Regular Hindi」の記事で、Mashed VegetablesをRegular Hindi NameではBharta、Bihar Hindi NameでChokhaと表現するとの記載がありました。ネパールに接するインドの Bihar ビハール州の Litti Chokha が有名なため、ネパールでもChokha が使われているのでしょうか。次の機会にでも尋ねてみましょう。The New Indian Expressの「Litti chokha, the delicacy from India」の記事では、そのLitti ChokhaのChokhaについては以下のように記載され、茄子、じゃが芋、トマト等が使われている様です。

For chokha, brinjals are roasted on fire before the skin is peeled off. This is then mixed with mashed potatoes and even charred tomatoes with a bit of mustard oil.  Onions, green chillies and minimal spices complete the dish.  As the vegetables are mostly boiled or roasted, the flavours remain intact, along with some smokiness introduced due to the process.  The raw mustard oil also adds to the flavour.

ターメリックさんで頂ける美味しいネパール料理の数々は
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ターメリック Turmeric

西宮市甲子園口2-24-28
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合鴨のダルバート @ ヤタラ スパイス Yatara Spice(大阪市大正区)

ふと気になりダルバート Dal bhat を頂きに伺うお店の一つが、JR環状線大正駅近くの「ヤタラスパイス Yatara Spice」さんです。月に1週のみ供されていたダルバートが、隔週で提供に変更になった様に店主が他のお客さんに説明されていました。5月のある日訪れた際には、合鴨が売り切れ、ポークに変更になっていました。チキンとの2種盛りで頂きました。この日のタルカリは、春キャベツとスナップえんどうでした。6月に伺った際には、合鴨が残っていましたので、チキンとの2種盛りでお願いしました。この日のタルカリは、ズッキーニとキャベツでした。マサラチヤも頂きました。

Yatara Spice
ヤタラ スパイス

大阪市大正区三軒家東1-2-5-2F
https://twitter.com/spiceyatara

金時豆のアチャール @ ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ(池田市)

池田市の「ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ」さんの週末スペシャルダルバートは、中身は毎回異なりますが、基本の構成は同じです。マスとダル、タルカリ1品とアチャール3品、バートとその上にもう1品、さらにサグとパパド、デザートに飲み物です。マスやダルも毎回異なった味付けで登場するので楽しみなのですが、それ以上に期待を膨らませるのがタルカリとアチャールです。今週の金時豆のアチャール、ラジマ・コ・アチャールは、そのタルカリとアチャールの違いを実感させて頂ける1品でした。タルカリに使われるときは、豆や野菜の甘みがうまく引き出される優しい味付けがされており、金時豆が最近タルカリで登場した場合もそうでした。今回の様にアチャールに仕上げられる時は、口にした時に、豆の甘みが前面に出ないような香辛料の使い方をされています。同じ素材でも、タルカリとアチャールではその美味しさの引き出し方をきちんと変えておられます。

マンゴーと大蒜のアチャール、アープ・ラ・ラスン・コ・アチャールは、大蒜が控えめ且つアクセントになった味付けで、大根のアチャール、ムラ・コ・アチャールは、これまで登場したものより発酵を進ませたもので、アチャール好きの者にとっては堪らない1品に仕上がっています。マスはククラ・コ・マスですが、大蒜の葉ハリヨ・ラスンを一緒に使っておられ、こちらも味とともに食感も楽しめます。この日のダルはチャナ・コ・ダルで、タルカリは芋茎とじゃが芋、カルカラ・ラ・アル・コ・タルカリですが、これにも大蒜の葉が入っています。ご飯の上には大豆ボール、マショウラを使った一品が載り、サグ・ブテコ、青菜炒めには空心菜が使われていました。デザートは蜜柑、チヤも頂きました。

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ネパールのごちそう
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サクランボのアチャール @ ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ(池田市)

他では頂くことの出来ない果物のアチャールが登場するのは、池田市の「ズーズーダゥ」さんで供される週末のスぺシャルダルバートです。今週はサクランボ Paiyun のアチャール、パイユン・コ・アチャールを頂く事が出来ました。しかし、今回もそれ以上に印象的だったのは、カリフラワー Kauri と人参 Gajar、えんどう豆 Kerau のアチャール、カウリ・ラ・ガージャル・ラ・ケラウ・コ・アチャールでした。先週頂いたカリフラワーと人参のアチャールはタンドールで炙ったカリフラワーの香りとシャキシャキした食感が楽しめました。同時に作って発酵させたと仰る今週のものは、味付けも少し変えておられ、えんどう豆も加わり、程よい発酵も相まって、異なるアチャールに仕上がっています。アチャールのもう1品は、ミント Pudina のアチャール、プディナ・コ・アチャールでした。タルカリは、南瓜 Farsi と金時豆 Rajma、ファルシー・ラ・ラジマ・コ・タルカリで、今回も優しい野菜の味を活かす味付けです。大蒜 Lasun の葉、ハリヨ・ラスンも使われています。バート(ご飯)の上に載る、鶏の胸肉もハリヨ・ラスンと一緒にチョイラに仕上げられています。ダルはミックスダル、チャナ・ラ・マス・コ・ダルです。マスは骨付きチキンの、ククラ・コ・マスですが、同じチキンでも毎回味付けが変わります。サグとパパドゥも定位置に添えられています。デザートはズーズーダゥで、仕込みの日の違いで、醗酵の浅いものと、やや進んだものの2種類がこの日は有るとのことでしたので、後者をお願いしました。最近はこのズーズーダゥの予約も入るようになってきたとのことです。チヤも頂きました。

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アルタマボリ Alu Taama Bodi @ “few” インド&ネパール料理レストラン(川西市平野)

筍を収穫しましたという話題がお店のFacebookでアップされた後、その筍が行方不明になっていたのですが、突然、アルタマボリ Alu Taama Bodi の主役として登場しました。能勢電鉄平野駅前の「インド&ネパール料理レストラン”few”」さんのシェフ、ディップさんが、店主も知らないうちに、密かに発酵させていたのだそうです。週末のみ供されるダルバートのタルカリの一品として登場です。この日はお腹具合もあって、バートも少なめ、ダルとチキンティッカも無しの一皿にして頂きました。ダルが無いので、ダルバートとは言えませんが、十分楽しめるプレートです。アルタマボリはカジャ Khaja と一緒に頂くイメージを持っていましたが、バート(ご飯)と一緒に頂くこともよくあるそうです。今回は香辛料を効かせたバージョンで、しっかりとバートに合っていました。マスは、骨付きのマトンが賄い用にあるとの事で供して下さいました。他は大根のムラ・コ・アチャール、小魚のマチャ・コ・アチャール、青菜炒めのサグ・ブテコと何時も通りの品々です。途中で、ディップさんが、ダニヤ・コ・アチャールも持って来て下さいました。最後にチヤも頂きました。

fewさんで頂ける美味しいネパール料理は
→「”few” インド&ネパール料理レストラン(川西市平野)」

”few” インド&ネパール料理レストラン

兵庫県川西市平野3-3-24ルームス1F
https://ja-jp.facebook.com/kawanishi.few/

ダカニ @ ターメリック Turmeric(西宮市甲子園口)

JR甲子園口駅から南にのびる「ほんわか商店街」にあるネパール料理店「ターメリック Turmeric」さんでは、平日もダルバート Dal bhat が頂けます。店主キランさんが、5月からダルバートのマスをドライタイプに変えますと仰っていましたので、遅ればせながら平日に訪れました。この日はチキンかマトンの選択でしたが、マトンでお願いしました。2種類のタルカリは、ブロッコリーとじゃが芋、ゴーヤでした。マトンは残念ながらドライタイプではありませんでした。キランさんにお伺いすると、予定通りドライタイプに変えたところ、お客様の不評を買い、数日で元に戻したとの事です。ダルの美味しさを活かすには、ドライタイプのマスの方が良いと考える日本人は、私も含めきっと少数派なのかもしれません。ネパールで普段食べるような料理を是非食べて頂きたいと、一旦は中止しかけた平日のダルバートの提供を続けておられる、キランさんや、スタッフのミンさん、ラムさんの心中を察すると、胸が痛みます。

小さな器にはハルワも添えられています。この日は他に、以前にお店のTwitterにアップされていたドクダミのアチャール Gandhe ko Achaar の話や、キランさんが不在だったカナメラの日にメニューには登場したものの頂けなかったダカニ Dhakani の話などを伺いました。ダカニの件の経緯は、バスマティライスで作ったところ、パサパサな食感の出来上がりとなったために、スタッフで協議し急遽提供を止めたのだそうです。日本米で作ると粘り気が出すぎ、丁度この時期に収穫されるネパール米が良いのだそうです。デザートとして食べるよりも、カジャの一品として食べることが多いとの事です。Boss Nepalの「Rice Dhakani」の記事で、キランさんの説明と同じような記述があります。

Dhakani is a sweet snack made from rice. One of the traditional snacks made in Nepal, it is popular for its taste, health benefits and for gratifying hunger. Dhakani is popular all over Nepal, and although maybe known by different names at different places, the taste of it is more or less similar. Dhakani is usually made with Basmati rice, Chandanchur or other types of rice known as masino chamal is Nepal which also helps in enhancing its taste and giving pleasant smell. Making this cuisine is easy and although it takes slightly longer time, the result is worth the effort. But even though it is sweet, it cannot be served as a dessert as it is comparatively heavier due to the presence of rice.

話のついでに、ダカニをわざわざ供して頂きました。今回のダカニには、レーズン、カシューナッツ、アーモンドを用い、ギーの香りが活きる様に香辛料は控えておられるとの事でした。チヤと一緒に頂きました。

ターメリックさんで頂ける美味しいネパール料理の数々は
→「ターメリック Turmeric(西宮市甲子園口)

ターメリック Turmeric

西宮市甲子園口2-24-28
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