もう1年位前の事です。池田のネパール料理店「ネパールのごちそうjujudhau ズーズーダゥ」の店主カドカさんや奥様と、お店の美味しいdal bhatダルバートを皆さんにもっと知って食べて頂けるよう、ディナータイムでの提供と、タルカリやアチャールを日替わりにして、お店のfacebookで告知されては如何かとお話をしました。ダルバートを作る手間とコストを考え、池田という土地柄、客層等を考えると、難しい提案であることは重々承知の上でした。一人の客の戯言でしたが、ディナータイムでの提供をすぐに決断され実行されました。「言い出しっぺ」の責任もあり、是非続けて頂くためにも、夕食に家族と訪れては、必ずダルバートも注文するようにしています。この9月からは、週末のダルバートをスペシャルダルバートと銘打って、毎週内容を変え、しっかりお店のfacebookでお知らせされるようになりました。各民族のアマ(お母さん)が作るダルバートシリーズに引き続いて、「田舎を思い出すダルバート」が11月からのテーマの様です。さらに訪れる回数を増やさねばならなくなりました。
お店で頂ける料理の数々は→「jujudhau ズーズーダゥ(池田市)ネパールのごちそう」
<田舎を思い出すダルバート その1>
メインはチキンかマトンが選べ、マトンでお願いしました。ダルはチャナ・ダルです。
大きめのカトリに入った、アル・ボディ・ムラチャーナ・コ・タルカリ(じゃが芋、ささげ豆、切り干し大根のおかず)、手前のスングル(Sungur=豚)・ブテコ、バートの上にはチャウ(Chyau=きのこ)・ブテコです。
中央に小さなカトリが3つ並び、左からアル・サンデコ、ゴルベラ(Golbheda=トマト)・ダニヤ(Dhaniya=コリアンダー)・コ・アチャール、ティル(Til=胡麻)・コ・アチャールが入っています。バートの右横にサグ・ブテコが添えられています。
この日のデザートはクワ(Khuwaa、クラウニー)で、柿の葉に載せられていました。ズーズーダゥを作るよりずっと手間がかかるそうです。
<田舎を思い出すダルバート その2>
この週はチャナ・マス・ムスロ・コ・ダル(Chana、Mas、Musurooの3種の豆のミックスダル)で、メインはブテコ・ククラコ・マス(チキン)でした。
衆目を集めるのは、ブテコ・ビャックル(秋の味覚の零余子、むかご)の初登場です。バートの上に載っています。芋繋がりで、カルカラ(Karkalo=里芋の葉)・ラ・ピダル(Pidhaalu=山芋の茎)・コ・タルカリも供されています。バートの左右には、ブトン(もつ炒め)とサグが控えます。小さなカトリには左から、ムラ(Mula=大根)・ラ・カンクロ(Kaanklo=胡瓜)・サノケラウ(Saano kerau=えんどう豆)・コ・アチャール、ゴルベラ・ラ・プディナ(Pudina=ミント)・コ・アチャール、ポレコ・アル・アチャールと並んでいます。
急激に温度が下がってきて作るのが難しくなったと仰るズーズーダゥもデザートで登場です。
ビーガンveganの方にもお出しすることが出来る、乳製品を含まないソイ・チャを頂きました。
<田舎を思い出すダルバート その3>
この週もダルは3種類のミックスダル、チャナ・マス・ムスロ・コ・ダルで、メインはローカル・ククラ・コ・マス(骨付きチキン)でした。
もう一つの大きいカトリは アル・ラ・シミ・コ・タルカリ、じゃが芋とインゲン豆のおかずです。バートの傍らにブテコ・サグがいつものように添えられています。小さなカトリには、ムラ・ラ・ラスン(Lasoon)・コ・アチャール、大根とにんにくのアチャール、メワ(Mewa)・コ・アチャール、パパイヤのアチャール、ゴルベラ・マショウラ(Maseura)・コ・アチャール、大豆などから作った乾燥食材とトマトのアチャールと、3種のアチャールが入っていました。マショウラは平日のダルバートのタルカリで登場することが多く、アチャールバージョンを今回楽しめました。
この週のデザートは安納芋のハルワでした。
<田舎を思い出すダルバート その4>
この週のメインはローカル・ククラ・コ・マス・ラ・バードゥック(Burdock)、チキンと牛蒡でした。味の沁みた牛蒡、良い感じです。ダルはマス・ラ・ムスロ・コ・ダルでした。照明の関係でこの日は料理が全て青く写っています。
大きなカトリのもう一つは、アル・ラ・マショウラ・コ・タルカリ、このお店の定番のおかずです。何時もの場所にサグが控えています。小さなカトリには左からムラ・コ・アチャール、大根のアチャール、ラスン・アドワ(Aduwa)・コ・アチャール、にんにくと生姜のアチャール、ゴルベラ・ダニヤ・コ・アチャール、トマトとパクチーのアチャールと、3種のアチャールが並びます。
バートの上には、この日はチョイラが載っているはずですが、どうやら忘れられた様です。この記事を書いていて初めて気が付きました。デザートはジュレビィ(Jilphi、syrup-filled loops)でした。
お店で頂ける料理の数々は
→「jujudhau ズーズーダゥ(池田市)ネパールのごちそう」
ディロセットの登場です。
ディロは確かに腹持ちが良さそうです。ネパールでじゃが芋の有名な産地はランタンとのことです。折角の機会ですので、手食で頂きました。
トマトベースのゴルベラコアチャールに大豆バトマスを浮かべるように盛り付けられています。グルンのスタッフには馴染みがあっても、チェトリの店主カドカさんにとっても初めてとの事でした。
ハルワベット柿もネパールではよく食べるが、日本の柿の方が美味しいとのことです。
まず目を引くのがアル、カウリ・コ・タルカリで
アル・コ・アチャールかと思えば、タンドールで香ばしく焼き目をつけたアル・サンデコであったり、初登場のムラ、ダニヤ・コ・アチャールも味わえました。
お決まりのヨーグルトズーズーダゥも美味しく仕上がっています。
店主のカドカさんではなく奥様がお店に居られ、味付けやスパイスのお話をしていたところ、お店で使うジーラの匂いを嗅がせていただきました。
11月10日から12日までの第3回はグルン族のダルバートで、特筆すべきはジャガイモのディロで、熱々の出来立てを食べて頂きたいので予約の上来店くださいとのことです。しっかり予約しました。
バートの上にはマトンシェクワ(セクワ)が載っています。
いつも美味しいアチャール3種です。小魚はいつもと味付けが異なっています。
デザートはこれまた定番となったお店の名前にも冠せられたズーズーダゥ。
ホットチヤも頂きます。
ハロウィンが近いのでとクッキーも出して頂きました。
11月3日から5日までは第2弾、「チェトリ」のお母さん、アマのダルバートが供されます。

何時もは日本米のバートも、今回初めてバスマティライスと日本米のブレンドで供されています。ギーを入れて炊くと美味しくなるそうですが、乳製品アレルギーの方やビーガンの方に配慮して行っていないとのことです。チョイラも初めてトッピングされています。
マトンも今回のために数店共同で仕入れ、皮付きのプリプリなものも提供できる様です。
タルカリは一度タンドールで焼いて香り付けしたカリフラワーを用いた一品です。
トマトのアチャール、ゴルベラコアチャールも初登場で、その美味しさに作り方を聞いてしまいました。ご主人としては、甘めのトマトを使ったので、思ったより甘めの仕上がりになってしまったらしいのですが、お代わりしたくなりました。両サイドにはムラコアチャール、アルコアチャールもあります。
ダルもいつもよりさらに濃厚な仕上がりになっていました。
パパドゥは香ばしくなる様に、揚げたものではなく焼いて添えられています。もちろんサグも忘れず添えられています。
最後にチヤも頂きました。
日本の喪に服す習慣と同じで、お店では、今年は、ダサイン、ティハールのお祝いはなさらないそうです。facebookでのこのスペシャルダルバートの告知にも、それらの文言を敢えて入れておられない様です。
ダッタトラヤ寺院Dattatraya Mandirの近くと聞いていましたので、タチュパル広場 Tachupal Square から、Amritさんに看板の電話番号に電話をかけてもらいました。見当をつけ最初に入ったお店でまずズーズーダゥの1つ目を頂き、写真も撮らせていただきました。

美味しいズーズーダゥでしたが、お店の看板がどうも違います。
もう一度電話をかけてもらい、今度は広場から少し南の路地を進んで、ついに同じ看板を見つけました。
念願のお薦めのズーズーダゥを頂きました。
店主とAmritさんの写真も撮らせていただきました。
帰国後、カドカさんに確認していただき、このお店とご主人で間違いなかった様です。
登場したカザセットです。店主カドカさんは「サマエバジです」と言って持ってこられました。
中央のチウラを、ネパール産の豆、サグ、マチャコアチャール、キュウリと人参と豆の和え物、チキンチョイラ、アルジラ、バトマスサンデコ、ムラコアチャール、バーラ、卵、マトンカレーの11品、パパドも入れると12品が取り囲む豪華版です。チウラの上にはポン菓子のようなBhujya、豆の粉を細く伸ばしたもの(店主はダルマットと言われました)も載っています。これらも別に数えれば全15品です。ネパールであればチャンを頂くのでしょうが、ククリラムも追加です。
骨付きマトンカレーが入った器は通常のダルバートに使う器ではなく、お祝いの時などに使うものだそうで、細かいところまで配慮されています。
今回は、このメインのお皿に、ナンとズーズーダゥ、飲み物が付いたセットになっています。
ズーズーダゥの上にはネパールの国旗が載っていました。日本の気候に合ったズーズーダゥの作り方を確立された様です。店主の計らいで、ナンの代わりにロティを頂きました。
最後にチヤを頂いて、この上ない満足感でお店を後にしました。
今回の企画は店主カドカさんが以前から秘めておられ、ネパールの信頼できる所から食材が届くのを待って、満を持して実現されました。チウラ一つをとっても、ネパールのものと、インドから輸入したものでは品質が大きく異なること、作り方も違うこと等の話を何度かお聞きしていました。少し前に、今回供されるチウラとダルマットの試食もさせていただきました。
輸入食材は賞味期限がはっきりしないものまであり、信頼できるものしか使いたくないというこだわりが伝わってきます。バトマスサンデコの豆もネパール産を使うつもりだったとのことですが、炒るとどうしても日本人向けには硬すぎたとのことです。どうしたらよいか大豆を専門に扱っている方に聞いて良い方法を教わったと仰られていました。その甲斐あって、とても香ばしい一品に仕上がっていました。他の副菜も様々なこだわりが伝わってくるような品々でした。
チャナチャットパットのインスタントラーメンバージョンの登場です。麺自体にも程よい辛みがあり、お酒のおつまみでも、白飯と一緒でもいけそうです。
「チキンラーメン」を使っても、同じような美味しさが期待できます。試食させていただいた料理が後日定番メニューに昇格することがありますので、チキンラーメンチャナチャットパットも近い日にメニューに登場するかもしれません。その際は「チキチキ探検隊」の皆様に取材をお願いしましょう。
各料理を自分でお皿に盛りつけ、ソフトドリンク付きでしたのでラッシーをお願いしました。
ナンはお願いしてから焼いていただけます。2人でしたのでプレーン、チーズと2種類いただきました。
追加でビールとククリラムを飲んでいると、そのおつまみに、バラ、ムラコアチャール、マチャコアチャール、サグ、トマトの一皿も持ってきていただきました。
念願のズーズーダゥも冷蔵庫に取り置きしていただいていた様です。
数ヶ月前には、ネパールと日本では様々な条件が異なるのか、なかなか上手く作れないと嘆いておられたズーズーダゥですが、この機会に満を持しての登場となった様です。今までに食べたことのあるヨーグルトとは明らかに何かが違います。美味しいの一言でした。店主の故郷のバクタプルの名物ですが、現地でどのお店へ行ったら良いのかも教わりました。
他のお客さんたちが帰られた後は店主とお喋りタイムです。能勢の農家の方にお願いしてネパール野菜を作ってもらうようになったとのことですが、ネパールと違って土が栄養に富んでいるので成長がとても早いとのことです。ネパールのにんにくは入口近くにさりげなく置かれ、
調理すると美味しいチャムスルは料理の台に飾られていました。
これらの野菜も使った、3年目のズーズーダゥさんの新しいメニューに期待です。
<追記>最近は、ダルバートも趣向を凝らしたスペシャルバージョンを毎週のように供されるようになりました。頂ける美味しい料理の数々は