10月第3週の週末は、19日がビジャヤダサミの特別なダルバート、20日、21日が恒例のスペシャルダルバートでした。後者も、よく準備が間に合ったと感心させられる手間のかかったダルバートでした。
ダルは前日の4種のミックスダルからラハルが抜けた、マス、ムスロ、チャナの3種が使われている様です。
マスはチキンです。いつも辛さ増しをお願いしていませんが、他とのバランスはその方が良いと常々思う味付けになっています。
タルカリは、じゃが芋、南瓜の蔓(ファルシ コ ムンタ、Farsi ko Munta)、葱です。
アチャールは3種類並びます。マンゴーのアチャールは、最初キウイかと思ったもう一つの果物との絶妙なバランスです。
この日のトマトのアチャールは、酸味と辛味が入り混じる味付けです。
もう一つは、生姜と大蒜をネパールの胡麻と和えたアチャールです。ご飯が進む味です。
パパドゥとサグがバートの左右に控え、上にはさつま芋の蔓(サッカルカンダ コ ムンタ、Sakar khanda ko Munta)のスパイス炒めが載っています。
南瓜の蔓 Farsi ko Munta はネパールでよく食べられる野菜の様で、レシピの紹介も容易に見つけることが出来ますが、さつま芋の蔓 は検索してもあまり出てきません。さつま芋の生産量自体が、ネパールでは多くないからかもしれません。日本では品種改良により、その茎葉を美味しく食べることの出来る「すいおう(翠王)」が作られています。農林水産省の web site にその紹介が記されています。
「茎葉が食べられるサツマイモをなんとか作れないものか」と、農研機構九州沖縄農業研究センターで研究を重ねて誕生したのが「すいおう」(緑の王様の意)です。
従来のサツマイモの茎葉は、アクが強く苦味があるため、食材としては敬遠されがちでした。一方で豊富な栄養素が含まれており、また6月から9月までの葉菜の少ない時期に収穫できることから、夏場の葉野菜として利用できないものか、とも考えられていました。
九州沖縄農業研究センターは、1000を超える日本国内外のサツマイモの品種を、研究や品種改良のために保存しています。それらを含む多数の中から、葉のつき方や大きさ、どれほどの量の茎葉が収穫できるか、食用になりそうかなどを検討し数十種類の品種を選び出しました。
さらに味や栄養成分、加工に向いているかなど、さまざまな角度から絞り込み、品種を交配させる研究を毎年繰り返しました。
今回はおそらく普通の品種のさつま芋の蔓(茎)を、ジットさんとカドカさんの工夫で美味しく仕上げられたものと思われます。
デザートは定番となったズーズーダゥ、
チヤも最後に頂きました。
阪急宝塚線池田駅すぐのお店で頂ける、美味しい料理の数々は
→「jujudhau ズーズーダゥ(池田市)ネパールのごちそう」

まず目を引き付けるのが、バートの上のMacha Tareko 魚の揚げ物です。メバルを香辛料でマリネして揚げてあります。
ダサインのお祭りは肉をしっかり頂くというイメージがあるらしく、マス(肉)は2種類、マトンと
骨付きチキンです。
ダルもいつもと違います。マス、ムスロの他に、ラハルとチャナも加わり、ダニアがアクセントになっています。
アチャールも3種類並びます。しっかりと肉を頂くのには、大根や胡瓜のアチャールが欠かせない様です。少し発酵を進めた大根とえんどう豆のアチャール、
じゃが芋とえんどう豆のアチャール、
胡瓜、人参とえんどう豆のアチャールの横には、松茸のスパイス炒めまで添えられています。ケラウ(えんどう豆)がいずれのアチャールにも入っていますが、それぞれ種類の異なるものを使っておられる様です。
青菜炒めも忘れてはいけません。
デザートは、カドカさんの本領発揮の、柿のティラミスと栗の渋皮煮です。
チヤも頂き、特別メニューに惹かれて来店された方々との会話で、楽しい時間を過ごしました。
ダサインの10日目のビジャヤ ダサミについて、
ダサインの楽しみの一つが凧揚げですが、雨季の終わりに、これ以上雨を降らせない様に神様へのお願いでもある様です。デザートのお皿に凧が描かれていました。

メニューを見ていくと、
Thakali Special Drinksとして Kodo(Raksi、ロキシー)や、それを使った Jhwai Khatte(ジョインカッテ)を見つけました。
まだお日様が高い時間でしたが、頼んでしまいました。結構な量です。
あまりよく確かめもせずに Thakali Thali タカリタリをマトンのセットでお願いしましたが、後でよく見ると Yak ヤクや、 Cyangra ターキー の肉も頂けた様です。他に Bandel 豚や、Fishもメニューに載っており、ライスの他に Dhiro ディロでも頼めるようです。
やってきた タカリタリです。
ダルはタカリのダルに特徴的な緑色です。
グンドゥルックも存在感があります。

マス(肉)はドライタイプのブトゥワが引き続き登場です。「カレー」をイメージして来店される方には物足らないかも知れませんが、ダルが主役のダルバート、良い引き立て役のマスを供するとの信念は揺るぎなさそうです。2人で伺いましたので、2種のマスの食べ比べが出来ました。マトンカナとメニューには書かれていますが、骨付き皮付きの山羊肉でした。コラーゲンの食感も楽しめ、骨についた肉も手づかみで頂きます。ついでに他も手食で頂きました。
チキンもドライタイプです。
ダルは、前回と同じくマス、ムスロ、ラハル、チャナのミックスでした。表面からは分かりにくいですが、具(豆)沢山です。ダルには、Ghee ギーも加えられていますが、ダル談義でギーの話になり、いつもネパールで買ってくると仰る美味しいギーを教えて頂きました。
タルカリは大根、ラジマ豆、じゃが芋と、
筍とじゃが芋でした。
アチャールは、胡瓜、じゃが芋、えんどう豆の一品と、グンドゥルック、小魚の計二品でした。
デザートに添えられたのはキールで、
チヤも頂きました。
基本はシンプルなダルバートですが、
これにチキンを追加しました。ドライタイプのマスです。
お店の裏で手を洗い、手で頂きます。地元の方も皆さん手食です。待ち望んでいたスタイルのダルバートで、味の満足度も十二分でした。
この日はプレートがメインで単品は3種のみです。
登場したプレートは、アルタマ付きです。
中央にはセルロティの中にチウラが盛られ、卵が載っています。時計7時の方向の鴨のチョイラ(下の写真の中央から左)から反時計回りに、チキンブトゥワ、
マトンブトゥワ、チキンホルモンブテコ、
胡瓜、じゃが芋、エンドウ豆のアチャール、グンドゥルックアチャール、パニールと豆のアチャール、大根のアチャール、
枝豆のサンデコ、ほうれん草炒め、ラジマシミのタルカリと並びます。
ロキシーを2杯ほど頂き、
ダヒプリ(パニプリのヨーグルトバージョン)も追加で頂き、
他のお客さんがまだあまり来られていなかったので、楽しいお話をしながら美味しく頂きました。最後にチヤもお願いしました。
おまけの写真1枚は、通常営業されていた頃の夜メニューのパニールモモです。この日のパニールのアチャールについて話が弾み、キランさんがネパールで勤めておられた頃、勤め先の近所に美味しいパニールモモのお店があったと話されていたのを思い出しました。また頂けるよう、お願いしておきました。

ダルはマスとムスロの飽きの来ない組み合わせで、しかも毎回味付けが変わります。
マスはチキン、こちらも先週と似てはいますが、使う肉の部位の比率が違うようで、食感が異なります。
タルカリは平莢インゲン、じゃが芋、トマト、青葱です。メニューにはモロッコインゲンと書かれていますがタキイ種苗の商標登録名です。ネパールで食べるシミのタルカリのイメージの様です。じゃが芋の甘味を感じるとすぐに香辛料が口に広がります。マスよりも辛口の仕上がりです。
アチャールは3種類並びます。栗のアチャールとメニューに書かれていますが、口にした時にはまず蜜柑の熟した甘さを感じます。栗と蜜柑の組み合わせ、意外でしたが、よく合っています。「熟した甘さ」を強調するために、蜜柑の下拵えにひと手間かけられたのかもしれません。
干し大根のアチャールは、今まで食してきたムラコアチャールの概念とは全く異なった一品でした。最近、隠し味の一つとして、この干し大根がタルカリなどによく入っていました。もしかするとダルに入っていた時もあったかもしれません。
もう一つはじゃが芋とえんどう豆です。
パパドゥとサグは定位置に添えられ、バートの上にはマショウラと玉葱のスパイス炒めが載っています。
デザートは、好評で登場し続けるズーズーダゥです。
チヤも最後に頂きました。
昨年も訪れた「シャム ダヒ バンダール Shyam Dahi Bhandar」さんを目指します。お店の名前の入った看板と、
バクタプル ズーズーダゥとしか書かれていない看板があります。
残念ながらご主人は不在でした。美味しいズーズーダゥ Juju Dhau を頂きました。昨年との違いは、素焼きの器からプラスティック製の器に変わっていました。


こちらは伝統的な素焼きの器でした。

ダルは何時ものマス Mas とムスロ Musuro の他に、ラハル Rahal やアジア圏外が原産の豆も加わっているらしく、濃厚で滑らかな喉ごしも感じる仕上がりです。ディロ Dhido やロティ Roti と共に頂いても美味しそうで、ディロと一緒の登場が楽しみです。
マス(肉)はセミドライタイプのチキン、ククラ コ マスですが、柔らかくプリプリとした食感です。味付けは毎回異なります。
タルカリは、ささげ、じゃが芋、青葱です。何時も乍ら、最初は野菜の甘味を感じ、後で香辛料が口に残る仕上がりです。
アチャールは3種類。一つは、タンドールで炙ったじゃが芋のアチャールです。
残りの二つは、トマトのアチャール、ゴルベラ コ アチャール Golbheda ko Achaar ですが、天日で乾燥、発酵させたトマトがベースになっているそうです。違う香辛料を使い、さらに一つにはフルーツを加えることによって、異なる味を楽しむことが出来る仕上がりです。バートとよく合います。
バートの左右には、パパドゥとサグ、青菜炒めがいつもの様に添えられ、上には糸瓜と玉葱のスパイス炒めが載っています。少しの量ですが、糸瓜の美味しさを堪能できます。
デザートは、備前焼の陶器で作られたズーズーダゥです。
チヤも頂きます。
お腹がすいていなかったので、お店の中を見せて頂くだけでした。写真もどうぞとのことでしたので撮らせていただきました。
コンロの上あたりでは、肉が干され、スクティの製造中でした。