店主カドカさんがずっと構想を温めておられた、桜の季節に合わせて日本らしい食材で作る「日本」をテーマにしたダルバートが、今週末のスペシャルダルバートでした。阪急宝塚線池田駅前の「ネパールのごちそう jujudhau ズーズーダゥ」さんに仕事を終え馳せ参じました。ネパールのダルバートには登場することの無い、遊び心に富んだマス、ダル、タルカリ、アチャールの品々からなっています。
ダルはマス・コ・ダルに小豆が混ぜられています。マスはククラ・コ・マスの蒟蒻入りです。タルカリは干し椎茸、南瓜、隠元豆で、いずれも優しい味に仕上がっています。
蛍烏賊のカチラは、酢味噌和えとはまた違った味わいで、スパイスと相まっておつまみとしても良さそうです。カチラKachilaは本来生食の料理ですが、安全面を考慮されて(→「旋尾線虫症とは」NIID 国立感染症研究所)、茹でた蛍烏賊を使っておられます。
アチャールは、左が酒粕と味噌のアチャール、右が紫蘇のアチャールですが、酒粕と味噌のアチャールでご飯がすすみます。
サグ(青菜炒め)には菊菜が用いられ、
長ひじきと茎わかめのスパイス炒めが、バート(バスマティと国産米)の上に載っています。
デザートのは桜のズーズーダゥです。カドカさんが会心の出来栄えと仰る通り、美味しさを増したズーズーダゥの中には甘い桜餡が隠れています。
お店で頂ける料理の数々は
→「jujudhau ズーズーダゥ(池田市)ネパールのごちそう」


粉状にすると、通常の日本の胡麻とは違った良い香りです。
クレロKurelo・ムラ・コ・チャーナ・ラ・チャウ・ブテコ(アスパラガス、干し大根、キノコ)がバートに載っています。
デザートはチヤ・プリンでした。チヤと一緒に頂きました。
バートの左右にはパパドゥとサグが何時もの位置に控えています。今回は優しい感じの味付けの品々ですが、ダニヤ・コ・アチャールが少し苦みもありアクセントになっています。


バスマティライスに変更で、マスはマトンでお願いしました。
トピを被ったお二人はチトワン出身との事でした。お伺いするとダルはミックスダルとの事ですが、自店でブレンドされているわけではなさそうです。サグの代わりにブロッコリーとオクラのタルカリでした。サラダ付きとのことで、食前にインネパ店でよくあるサラダも持って来て頂きましたが、代わりにメニュー通りのサグ(青菜炒め)が欲しい所です。お店のFacebookでアンダバジの記述が有りましたので、メニューも見ずにお願いし、ダルバートと一緒に美味しく頂きました。
まだメニューに載っていなかった様で、値段は適当に決めて下さいとお願いしました。ワンドリンク付きですので、最後にチヤも頂きました。
少し重複は有るものの、種類が異なる副菜、タルカリ、アチャールが満載で、少しずつ分け合うと2倍楽しめました。
ライスの替わりにチウラで頂くことは可能ですかとお伺いしてみた所、タイミング良く店主キランさんが戻ってこられ、おまけの形で付けて頂きました。ご近所のマダム達の意見を取り入れて、それまでの茹で卵から目玉焼きに変更してご飯に載せていますとのことでした。お皿もいつもの陶器製では無く、これまた各方面に好評だという金属製でした。



いつもチヤを追加で頂いて帰ります。
最初は自身の好きな鰆のカレーを出すと決めていた様です。
鰆か骨付きチキン、あるいは両者の2種盛りからの選択です。
鰆カレーをはじめ、サグ、タルカリ、アチャールと、遼さんのレシピを踏襲している様です。これから彩さんオリジナルのメニューが増える事でしょう。
チヤも頂いて帰りました。
発酵乾燥青菜のグンドゥルック、今回は大根の葉でした。ネパールの有名なグンドゥルックの諺の意味深い内容を伺いました。店主カドカさんの「グンドゥルックはシンプルにアチャールで頂くのが一番美味しい」との言葉に全く同感の一品でした。調理前の大根のグンドゥルックMula ko Gundrukの香りは、
前回登場の菜の花のグンドゥルックTori ko Gundrukとまた違ったものでした。
以前、粒状のアチャールに仕上げられたシラムSilam(荏胡麻)は、カドカさんの予告通り、今回は苦みが良いアクセントになっているペースト状のアチャール、ピセ・コ・シラム・コ・アチャールとして登場です。
もう一つのアチャールはゴルベラ・ラ・プディナ・コ・アチャール(トマトとミント)でした。
また、新登場の野菜はネパールのホウレン草です。能勢の農家の方にお願いして栽培して頂いたとの事で、葉より茎が目立つホウレン草です。
ナヤン・アル・ラ・パルンゴ・サグ・コ・タルカリ、新Nayanじゃが芋と一緒にタルカリで登場です。
バート(ご飯)の左右の定位置にはパパドゥとサグが控え、上にはピセ・コ・シドラ・コ・マチャ・ラ・オッカル・ブテコ(乾燥小魚と胡桃)が載っています。
ダルはマス・ラ・ムスロ・コ・ダルで、マスはローカル・ククラ・コ・マス(骨付きチキン)でした。
デザートはデーツのプリン、チョゴダ・コ・プリンの再登場です。
お店のFacebookで、ディップさんの奥様がネパールで作られた食用の乾燥した花について、店主が触れられており、
マチャ・コ・アチャールに加えていますとの事でした。
娘さんとの会話の中で、この乾燥した花は魚と一緒にスープにすると美味しいと教えて頂きました。他にお客さんが居られない時でしたので、賄い用に、鰤と一緒にスープにしたものが有るとのことで出して下さいました。ディップさんには「オムリ Amli」と教えて頂いたので、マチャ・オムリ・コ・ジョルMacha Amli ko Jholです。確かに、程よい酸味が魚とよく合います。Amliで検索するとタマリンドが出てくるのですが、ディップさんによるとタマリンドでは無いそうで、謎のままです。

小さなカトリに入った3種のアチャールは、右からマショウラ・ラ・ゴルベラ・コ・アチャール(大豆ボールとトマト)、ピナ・コ・アチャール(マスタードシード絞りかす)、ハリヨ・カンクロウ・コ・トリ・コ・スワドマ(胡瓜)です。
胡瓜のアチャールには、トリ・コ・スワドマと名が示す様に菜種油が使われ、
これまたアブラナ科のマスタードシードから油を搾り取った「かす」が、少し苦みも含むアチャールに仕上げられています。ネパールでもあまり見かけない珍しい一品とのことです。
バート(ご飯)の上にもトリ・コ・サグ・ラ・トウフ・ブテコ(菜の花とトウフのスパイス炒め)と、まさしく「菜の花づくし」です。
サグ・ブテコ(青菜炒め)はさすがに菜の花だと重なってしまうので小松菜とのことですが、小松菜も立派なアブラナ科です。「アブラナ科づくし」に相違ありません。今回のダルは菜の花に合わせた黄色い色調のチャナ・ダル、マスはブテコ・ククラ・コ・マス・ダニヤ・コ・スワドマ(チキンのコリアンダー風味)でした。
各テーブルでも、菜の花がお迎えです。
デザートはもはや定番とも言える備前焼の器に入ったズーズーダゥですが、ここにも菜の花を見つけることが出来る徹底ぶりです。
メインのダルバートDal Bhatは通常バージョンが、チキンか日替わり、またはチキンと日替わりの2種盛りとなっています。メインのカレーが付かないベジダルバートも選択可能です。3月第1週の日替わりは鰆のカレーでした。
これとは別に、タカリダルバートThakali Dal Bhatも、チキン、骨付き山羊肉、両者の2種盛りを用意されるようになりました。
まずは骨付き山羊肉付きでお願いしました。
ダルが、通常のダルバートとは異なるタカリスタイルのもので、
グンドゥルックやダヒ(ヨーグルト)が付きます。
グンドゥルックは遼さんがネパールで仕入れて来られたものだそうです。
従来、ネパール米 Jira Masino ジラマシーノも用意され選ぶことが出来ましたが、輸入が難しくなったとのことで無くなりました。バスマティ米、ジャスミン米、米国産米の3種類の長粒種、中粒種を、遼さん好みになる様にブレンドし、ネパールで圧力鍋で炊いた時の仕上がりに近い感じが出る様に炊いているそうです。玄米(日本米)の選択は従来通り可能です。
