その後、どうしても気になるネパールの豚肉事情をwebで渉猟してみました。
Helen M. Macbeth 編 (1997)
「Food Preference and Taste: Continuity and Change」
の一章に、
Christian McDonaugh 著
「Breaking The Rules Change in Food Acceptability among the Tharu of Nepal」
があり、その中で、
In Nepal in the past and still to some extent now, the situation is complex in that foods eaten by some middle-ranking groups were very varied and included buffalo, pork, yak and beef. All of these are in varying degrees low-status foods from the point of view of the high Brahman and Chetri hindu caste groups.
(中略)
Diet markers map on to this hierarchy in away fairly typical of the north India and of mainstream Hindu caste in Nepal. Broadly speaking the Brahmans are vegetarian, though lower ranking Brahmans do eat some meats such as pigeon and maybe goat. Chetri eat goat and chicken. Tharu eat all of the above plus pork which in terms of Brahmanic values of purity is a low-ranking impure food. The lowest castes eat buffalo as well as all the above, with only the Sarki eating beef.
Monika Mandal 著(2013)
「Social Inclusion of Ethnic Communities in Contemporary Nepal」
の中の記述には
The commoners linked to eat some kind of meat with the exception of cows anf female animals. Chickens were eaten by all castes except Brahmans and Chhetris. The Newars, the Tamangas, the Sherpas, the Sunwars and others took delight in taking buffalo meat, hens and pigs. Actually the Newars were great consumers of buffaloes, and also meat of goat, sheeps, ducks and fowls but they did not touch pigs.
(中略)
The Magars ate pork but not buffaloes’ flesh, while the Grungs ate the buffalo but not the pig. Most of the Brahmans were vegetarians.
Durga Datt Joshi 他著
「Improving meat inspection and control in resource-poor communities: the Nepal example」
Acta Tropica 87, 119-127 (2003)の中では
In Nepal, buffaloes contribute about 64% of the meat consumed, followed by goat meat (20%), pork (7%), poultry (6%) and mutton (2%). Goat and poultry meat is acceptable to all castes of people while buffalo meat is consumed mainly by the Newar ethnic group. Previously, pork was consumed only by people belonging to low castes, however, in recent years, the consumption of pork has increased in higher castes as the caste system has become more relaxed.
とあります。一番最近の文章ではPIG PROGRESS(Sep. 20, 2017)のPig farming in Nepal is growing step by stepの記事の中で、
At the moment, professional pig production in Nepal is still in its infancy. As the country is gradually becoming less traditional and more modern, different trends and eating habits are surfacing.
Nepal may not be top of mind when talking about pigs. Quite rightly so – the country doesn’t have an overly rich tradition when it comes to pork consumption. After all, Nepal may have a rich diversity of ethnic communities, castes and beliefs, traditionally however, only a limited number of them accepted pig farming. Pork is consumed by certain communities like e.g. the Rai, Sherpa and Tamang. So-called ‘upper caste’ communities, however, would never go anywhere near pork.
That picture, however, is slowly changing these days. Especially in urban communities and amongst the younger generations, the cultural food restrictions have lost their importance. Also, cities are growing fast due to ongoing migration, which altogether leads to a picture of a country that is gradually changing its eating habits.
と、書かれています。
日本人には窺い知れないカースト制度に伴う奥深い慣習がやはり有るようです。これらを念頭に、現役世代の方々に話を聞きました。彼らの親や祖父母の世代までは、ブラーマンBrahmanやチェトリChetriの人々にとっては、やはり豚は食べない、あるいは近寄ってもいけない動物だったようです。家庭によっては今もその慣習に従うそうです。一方で、上の記述の様に、彼らの世代や更に若い世代ではあまりそれに囚われない人もいるとの事です。
何方か、もっと詳しい事情をお知りの方、是非お教え下さい。
豚肉の甘味、旨味がしっかりと感じられる味付けに仕上がっていました。
食後、他にお客さんが居られなくなってから、店主、シェフとお喋りをしました。民族(カースト)による違いなどの事情が有るでしょうが、ネパールで豚肉は実際にどの程度食べられているのかを、お聞きしました。最近では一部の民族以外は食べる様です。ディップさんの故郷では豚を飼っている家も有り、自身もよく召し上がるとの事でした。以前お店のFacebookでポークサデコの写真をアップされていましたので、是非それらの豚料理も頂いてみたいとお願いし、別の日に用意していただきました。
忙しい日だったにも拘わらず、他のお客さんが帰られた頃に「豚の耳を試しますか」と声をかけていただき、一品を添えて頂きました。軟骨のコリコリとした食感が楽しめる逸品でした。
ライス不要といったので気を遣っていただいたのか、前回パロンタ?パラタ?としきりに尋ねたのでパロンタ好きと思っていただいたのか、追加を持ってきて下さいました。
セットには飲み物も含まれており、ラッシーを頂きました。
Vijayjamunaさんで頂ける美味しい料理の数々は
妻はチキンビリヤニを、
追加でチキン65も頼みました。
デザートにセミヤパヤサムSemiya payasamと
クルフィKulfiも
チャイと一緒にお願いしました。
普通のアラックも試してみてくださいと持ってきていただきました。
食事はワンプレートディナーセットでお願いしました。この日は赤米が売り切れとのことでした。スープとサラダに続いてプレートが登場です。
二人で、魚カレーとチキンカレーをそれぞれお願いしました。
デザートにはワタラッパンも有り、チャイも頂きました。

デザートにキリパニとチャイも追加で頂きました。
追加でチャイも頂き、その際にジャガリjaggeryも添えて頂きました。これを齧りながらチャイを頂くとスリランカ気分です。
壁にも写真入りで分かりやすく掲げられています。
DELUXE THALI デラックス ターリと、MASALA MUTTONマサラマトンも追加でお願いしました。
お替りも出来ますとの事ですが、これだけでも十分お腹が満たされました。チャイも付いており、頂きました。
この日は、セットの中のスイーツがランチタイムで無くなってしまったとの事でした。食後のデザートになる、何か甘いものは有りませんかとお伺いしましたが、通常は用意していないとの事でした。しかし、賄い用のハルワが丁度出来上がったので試しますかと、出して頂きました。カルダモン入りの美味しい一品でした。
お店の方に、何故セットの名前がミールスでは無くターリなのかお伺いしました。シェフがハイデラバード出身とのことで、やはりミールスにするかターリにするか経営陣も考えられた様ですが、最終的に落ち着いたのがターリだったとの事です。この日も先客は、地元在住のマレーシアかインドネシアかららしき方々の団体で、岡山でのハラール対応の貴重なお店になっている様です。
ディロセットの登場です。
ディロは確かに腹持ちが良さそうです。ネパールでじゃが芋の有名な産地はランタンとのことです。折角の機会ですので、手食で頂きました。
トマトベースのゴルベラコアチャールに大豆バトマスを浮かべるように盛り付けられています。グルンのスタッフには馴染みがあっても、チェトリの店主カドカさんにとっても初めてとの事でした。
ハルワベット柿もネパールではよく食べるが、日本の柿の方が美味しいとのことです。
開店と同時にお邪魔して、メニューの「本日の印度定食」から、メインをナスとオクラとひよこ豆でお願いしました。
折角の機会ですのでチキンカレーも追加で頂きたく、恐る恐るお伺いしましたが、「そういうのはやっていません。」とお断りされてしまいました。ベジをメインで選択した場合、ノンベジの追加もお店の利益が確保できる追加料金を払って選択出来れば、お客さんも満足、客単価も上がるのになどと勝手に思いましたが、仕込み量の都合なども有るのでしょう。

「おすすめのお召し上がり方」の掲示も用意されています。
飲み物も早めにオーダー下さいとのことでしたので、コーヒーも最初に頼んでおきました。
あまりお腹が空いていなかったこともあり、サマエバジセットNewari Samaebaji Setをお願いしました。
店員さんに辛いですが構いませんかと尋ねられました。店内には、店員さんとお客さん合わせて10名でしたが、他の9名は皆ネパール人で、新大久保店と同じく、ここは日本?ネパール?という感覚にさせていただきました。
まず目を引くのがアル、カウリ・コ・タルカリで
アル・コ・アチャールかと思えば、タンドールで香ばしく焼き目をつけたアル・サンデコであったり、初登場のムラ、ダニヤ・コ・アチャールも味わえました。
お決まりのヨーグルトズーズーダゥも美味しく仕上がっています。
店主のカドカさんではなく奥様がお店に居られ、味付けやスパイスのお話をしていたところ、お店で使うジーラの匂いを嗅がせていただきました。
11月10日から12日までの第3回はグルン族のダルバートで、特筆すべきはジャガイモのディロで、熱々の出来立てを食べて頂きたいので予約の上来店くださいとのことです。しっかり予約しました。